車を親から買ってもらった場合、車検証の「所有者」や「使用者」が親の名前のままというケースは少なくありません。一見、何の問題もないように見えるかもしれませんが、引っ越しや保険手続き、税金の請求などに影響が出る可能性があります。今回は、所有者・使用者が親名義のままの状態で引っ越した場合の注意点や、必要な手続きをわかりやすく解説します。
車検証に記載される「所有者」と「使用者」の違いとは?
まず押さえておきたいのは、「所有者」と「使用者」はそれぞれ意味が異なるという点です。
- 所有者:車の法律上の持ち主。基本的に車の購入代金を支払った人が記載されます。
- 使用者:実際に車を使っている人の名前。保管場所や登録住所の管理対象になります。
そのため、所有者が親でも、使用者があなたになっていれば日常的な利用や車庫証明の管理に問題はありません。ただし、どちらも親名義の場合、引っ越しなどの場面で注意が必要になります。
税金や通知書類は誰に届く?実家に届くのは問題?
自動車税や車検関連の通知書類は、車検証に記載された「使用者」の住所宛に届きます。そのため、実家に書類が届くのは当然であり、そのまま受け取れる環境があれば大きな問題はありません。
しかし、あなたが一人暮らしを始めた場合、重要書類の見逃しや納付漏れにつながる可能性もあるため、変更を検討すべきです。
引っ越した場合、車庫証明の手続きは必要?
「使用の本拠の位置(使用者の住所)」が変わると、車庫証明や車検証の変更手続きが必要になります。特に以下のケースでは要注意です。
- 実家から遠方に引っ越して駐車場所も変わった場合
- 警察が車両の保管場所に関して確認に来た場合
このようなケースでは、15日以内に変更手続きを行うことが義務付けられています。
車庫証明の変更方法と必要書類
車庫証明を変更するには、以下の手順を踏む必要があります。
- 新住所の管轄警察署にて「保管場所使用承諾証明書」「保管場所の所在図・配置図」などを提出
- 取得後、運輸支局にて車検証の住所変更手続き
手続き自体はさほど難しくありませんが、手続きしないまま放置していると罰金や行政指導の対象になる可能性があります。
親名義のままのデメリットとは?
所有者や使用者が親名義のままだと、以下のような不都合が出る場合があります。
- 車を売却したい時に所有者の同意が必要
- 事故時に自動車保険の名義と異なることで保険金の支払いに影響する場合
- 引っ越し後の手続きが複雑化する
特に、任意保険をあなた名義で契約している場合は、保険会社と車検証の情報が一致しないことでトラブルになることもあります。
まとめ:名義が親のままでも可能だが、住所変更には要注意
車検証の所有者・使用者が親名義のままでも、日常的な利用には特段の問題はありません。ただし、あなたが引っ越して実家以外の場所で車を使う場合には、車庫証明や住所変更の手続きが必要となります。
また、将来的な売却や保険手続きのことを考慮すると、使用者や所有者をあなた名義に変更しておくことも検討するとよいでしょう。
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