日産が9000人削減・社長報酬3億円・100万台増計画撤回――何が問われているのかを読み解く

2024年11月、日産自動車は世界で約9000人のリストラや生産能力20％削減を発表しながら、社長報酬3億円超（返納後も約3億円超）、さらに販売目標100万台増の中期計画も撤回という衝撃的な決定をしました。この記事では、その意義と波紋、そして今後の課題を深掘りしていきます。

⛔ なぜ9000人削減と生産20％削減？

日産は2024年上期（4～9月）に営業利益が前年同期比90％減。世界販売不振やコスト増によって大幅な業績悪化が進んでいます。リストラと生産削減は「即効性あるコスト抑制策」として打たれましたが、その背景には長期的な構造問題が横たわっています。:contentReference[oaicite:0]{index=0}

人件費を抑え収益改善を図る姿勢は理解できますが、社員への負担は大きく、社風や士気への影響も懸念されています。

🏦 社長報酬3億円超、返納後も残る報酬額

内田誠社長は報酬の50％返納を発表したものの、残る報酬額も約3億円超と依然高額です。この点は「リストラと高報酬のバランス」に対する批判を呼んでいます。専門家からは「構造改革を社員に押しつけつつ、経営陣は報酬を維持している」との厳しい見方もあります。:contentReference[oaicite:1]{index=1}

📉 100万台増計画の撤回と今後の事業再構築

2024年3月に発表された中期経営計画では、2026年度までに+100万台増の目標が掲げられていましたが、わずか8ヶ月で撤回。再評価された計画では「350万台前後での安定収益」を目指す新計画に切り替えられています。矢継ぎ早の路線変更は、先行戦略の失敗を露呈させています。:contentReference[oaicite:2]{index=2}

🧭 今後の日産に求められるもの

日産には、この混乱からの信頼回復と構造改革の転換が求められています。人件費を減らすだけではなく、商品競争力の強化、EVやHVへの対応も急務です。

東洋経済の記事では、再建策「Re:Nissan」による工場閉鎖・人員削減など抜本改革が進行中と報じられていますが、事業の軸足をどこに据えるかが問われています。:contentReference[oaicite:3]{index=3}

🤔 まとめ：批判が示す責任と再構築への道

今回の決断は、経営陣の責任とガバナンスに対する社会の視線が極めて厳しいことを示しています。9000人リストラや報酬の問題は一例であり、日産が取り戻すべきは“戦略整合性”と“信頼”です。

今後、EV市場の展開、商品投入、ガバナンス強化により、どこまで「変革した日産」を世間に示せるかが重要になります。