NS-1はホンダが販売していた50ccクラスのミニバイクで、そのスタイリッシュなデザインと高回転型エンジンにより、今なお人気があります。そんなNS-1をボアアップ(通称「ボブアップ」)すれば、最高速度が大幅に向上するという話はよく耳にします。本記事では、NS-1をボアアップするとどの程度の速度が出るのか、その理屈と現実的な数値、さらには注意点まで詳しく解説します。
そもそもボアアップとは何か?
ボアアップとは、シリンダー内径(ボア)を拡大して排気量を増やすチューニング方法です。たとえば、NS-1(ノーマルは49cc)に72ccや80ccのボアアップキットを装着することで、トルクとパワーが増加し、最高速アップが期待できます。
ボアアップはシリンダーやピストンの交換だけでなく、キャブレター調整、点火タイミング、ギア比の見直し、場合によってはCDIの交換なども必要になります。
NS-1をボアアップすると最高速度は何キロ出る?
NS-1を70cc〜80ccにボアアップした場合、ノーマルの最高速度が60km/h(リミッター未解除)であるのに対し、リミッター解除+適切なセッティングを行えば、90km/h〜110km/h程度の速度を記録することが可能です。
ただしこれはあくまで理論上・理想条件下での数値であり、道路状況・車体の状態・ライダーの体重・風向きなどで大きく変動します。また、安全面からも公道でこれらの速度を出すのは推奨されません。
ボアアップで得られるメリットとデメリット
【メリット】
- 加速性能が大幅に向上
- 登坂力や二人乗り時の余裕が生まれる
- パーツ選びやセッティングの自由度が広がる
【デメリット】
- エンジン寿命の短縮
- 法的に原付ではなくなり、無免許運転・整備不良車扱いになる可能性
- 保険や車検、整備費用の増加
とくに法的なリスクは見過ごせません。72cc以上に排気量が増えると「原付二種」と見なされます。つまり、125ccまでの小型二輪免許が必要となり、ナンバーや保険も変更が必要です。
実際のユーザーによる例
某掲示板やYouTubeなどでは、NS-1に75ccボアアップキットを搭載し、CDIやチャンバーを交換した上で最高速105km/hを記録したという投稿もあります。別のユーザーは90cc化して約115km/hまで出たという報告もありますが、エンジンの焼き付きリスクや振動問題も指摘されています。
このように、ボアアップの恩恵は大きい一方で、チューニングの精度や運用方法を誤るとエンジンを壊しかねません。
公道走行の注意点と法的リスク
ボアアップしたNS-1で公道を走る場合、原付としての規格を外れると「道路交通法違反」となります。万一事故を起こした場合、保険が適用されないリスクが高いため、十分な注意が必要です。
合法的に走行するには、排気量に応じた登録変更・ナンバー取得・自賠責保険・任意保険の加入、そして対応する運転免許証の所持が必要です。
まとめ:NS-1のボアアップは楽しいが慎重に
NS-1をボアアップすることで最高速は劇的に向上し、90〜110km/hを目指すことも可能です。しかし、それにはセッティングの知識と技術、そして法令を遵守する意識が不可欠です。
「速くしたい」「もっとパワーが欲しい」という気持ちは分かりますが、安全・合法・確実に楽しむためには、免許や登録、整備も含めてしっかり準備をしてチューニングに臨みましょう。
コメント