ホンダNSX(NA1型)は、1990年代の国産スーパースポーツの代表格として今も根強い人気を誇っています。中でもV6エンジンを搭載したNA1のサウンドが「フェラーリのようだ」と評されることも少なくありません。では、なぜV6エンジンでそこまで官能的な音を生み出すことができるのでしょうか?今回はそのメカニズムと要因を詳しく解説します。
NA1 NSXのエンジン特性と音質の基本
NA1型NSXは、C30A型と呼ばれる3.0L V6 DOHC VTECエンジンをミッドシップに搭載しています。このエンジンは、9000回転近くまで回る高回転型で、ホンダらしい澄んだサウンドとメカニカルな咆哮が魅力です。
NA1は、クロスプレーンではなく、フラットプレーン型のクランクシャフトを採用しており、これが高音域の乾いた音を実現し、フェラーリV8のような甲高い音に近づく要因のひとつとなっています。
社外マフラーによるサウンドの変化
NSXのサウンドが「V8っぽく聞こえる」と言われる最大の要因は、装着されている社外マフラーの存在です。4本出しマフラーにすることで、排気の抜けが良くなり、音質や音圧が大きく変化します。
特に「J’s Racing」「Spoon」「TODA Racing」「PowerCraft」などの高性能マフラーは、音のチューニングにも力を入れており、まるでイタリアンV8のような“乾いた高音”を演出します。
実際のユーザー体験:フェラーリのようなNA1
SNSやYouTubeには、NA1 NSXの走行動画やエキゾーストサウンドをアップしているユーザーも多く、「信号待ちでフェラーリと間違えられた」という声も。
例えば、PowerCraft製の可変バルブ付きマフラーを装着したNSXでは、アイドリング時は静かに、回転数を上げると官能的な高音に変化します。この可変システムがサウンドキャラクターの幅を広げています。
エンジン音だけでなく、吸気音も重要
実は、官能的なサウンドを生むのは排気音だけではありません。吸気系のカスタムも重要で、「グループMラムエアシステム」や「K&N製インテーク」などの社外吸気パーツを装着すると、エンジンの吸気音が室内まで響くようになり、ドライバーの五感を刺激します。
吸気音と排気音のバランスが整うことで、より立体的でフェラーリライクなサウンドに近づくのです。
V6エンジンでも“V8風サウンド”は実現可能
フェラーリサウンドといえばV8やV12を想像しますが、排気レイアウト、マフラー設計、回転特性によってはV6でも極めて近い音質を得ることが可能です。
NA1のように高回転型かつバランスの良いエンジンは、そのポテンシャルを活かせば、スーパーカーのようなサウンドを再現する素地が十分にあります。
まとめ:NA1 NSXは“音”でも魅せるスーパースポーツ
NA1型NSXが生み出すサウンドは、単なるV6の枠を超えた存在です。クランク構造、エンジン回転特性、社外マフラーや吸気システムの組み合わせにより、官能的なフェラーリ風サウンドを実現できます。
「V6でフェラーリみたいな音は出せるのか?」という問いに対しては、「チューニング次第で十分に可能」と断言できます。NSXは、走行性能だけでなく、耳でも楽しめるクルマであることを、ぜひ実車の音で体感してみてください。
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