「古い車は毎年車検を受けなければならない」という話を耳にしたことがある方も多いかもしれません。しかし、実際には自家用車の車検制度は年式だけで変わるものではありません。この記事では、10年超え・20年超えの車に乗っている方にもわかりやすく、現在の車検ルールについて詳しく解説します。
普通乗用車の車検期間は「年式」ではなく「用途」で決まる
まず結論からお伝えすると、自家用の普通乗用車であれば、車が何年経過していても車検の有効期間は原則「2年」です。10年経過していようが、20年乗っていようが、それだけで車検が1年になることはありません。
ただし、タクシーやレンタカーなどの営業車や大型貨物車、特種用途車(例えばキャンピングカーなど)では、年数や走行距離の多寡に応じて1年車検が課せられることがあります。
10年超え車=毎年車検の誤解はどこから?
かつて1990年代以前には、一部の車種や業務用車両で「10年を超えると1年ごとの車検になる」といった制度が存在した時期もありました。しかし、現在はこの制度は廃止されており、古い情報のまま認識されているケースが多いようです。
また、車の老朽化に伴い修理や部品交換が頻繁になることから、「毎年整備=毎年車検」と誤解している方も少なくありません。
20年超えの車でも2年車検が通る実例
例えば、1999年式のトヨタ・チェイサーを今も大切に乗っているユーザーが、通常の整備と点検を怠らなければ、2年ごとの車検を問題なく通せているという実例もあります。
特にクラシックカーや旧車好きの間では、20年〜30年超の車を維持しながら定期車検を受け続けているオーナーが多く存在します。
車検が1年になるケースとは?
以下のような車種・状況では、1年車検が適用されることがあります。
- 自家用ではなく業務用(例:タクシー・運転代行車)
- 大型貨物車やトラック(最大積載量に応じて変動)
- 特殊用途車(例:救急車・霊柩車・高所作業車)
また、不正改造や重大事故歴がある車両など、安全性に疑義がある場合に、あえて車検有効期間を短縮される例もありますが、これは非常に稀です。
「10年超え=不安」より「定期点検=安心」を
実際には、年式が古いというだけで不安になる必要はありません。大切なのは定期的な点検整備と、安全装備の確認です。古い車であっても、しっかりとメンテナンスされていれば車検を通すのに問題はありません。
むしろ最近では、旧車人気の高まりやSDGsの観点から、長く一台を大切に乗るユーザーも増えてきています。
まとめ:年式だけで車検の有効期間は変わらない
10年や20年を超えた車でも、用途が「自家用普通車」であれば2年ごとの車検が基本です。年式によって自動的に1年車検に切り替わることはありません。
車検の有無や有効期間が気になる場合は、車検証の「有効期間の満了する日」を確認するのが確実です。正しい知識で、安心してカーライフを楽しみましょう。
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