走行中に突然ボンネットから白煙が上がり、エンジン部分が異常に熱くなった経験はありませんか?それは「オーバーヒート」というエンジントラブルの可能性があります。この記事では、エンジンのオーバーヒートが起こる主な原因や、白煙が出た場合の危険性、そしてその対処法についてわかりやすく解説します。
エンジンがオーバーヒートする主な原因
エンジンの温度は、通常90℃前後に保たれています。ところが何らかのトラブルで冷却がうまくいかなくなると、異常に高温となり「オーバーヒート」を引き起こします。
主な原因は以下の通りです。
- 冷却水(LLC)の不足・漏れ
- ラジエーターの詰まり・故障
- サーモスタットの不具合
- ウォーターポンプの故障
- 電動ファンの作動不良
冷却水が十分でも、サーモスタットやファンが正常に作動していなければ、エンジンは適切に冷却されずオーバーヒートします。
白煙の正体とその危険性
オーバーヒートと同時に白煙が出る場合、冷却水がエンジン内で燃焼室に漏れた「ヘッドガスケット抜け」などの重篤なトラブルの可能性があります。
また、冷却水が沸騰して蒸気となり排出されていることもあります。この場合は「焦げたにおい」や「湯気のような白煙」を伴うことが多いです。
いずれにせよ白煙は重大なサインなので、速やかに安全な場所へ停車し、エンジンを切ることが重要です。
オーバーヒート時の応急処置
万一、走行中にオーバーヒートが起きたら以下の対応を取りましょう。
- エアコンをOFFにし、ヒーターを最大に
- 安全な場所に停車してエンジンを止める
- ボンネットはすぐに開けず、しばらく冷却を待つ
- 冷却後、ラジエーターキャップを開けて冷却水を確認
- 応急的に水を足すことも可能(ただし整備工場での点検は必須)
※冷却直後にキャップを開けると高温の蒸気でやけどする危険があります。必ず冷えてから行いましょう。
オーバーヒートを未然に防ぐチェックポイント
日常点検を怠らなければ、オーバーヒートはかなりの確率で防ぐことができます。
- 冷却水の量と色の確認(リザーバータンクでOK)
- ラジエーターキャップの劣化チェック
- エンジンルーム内の冷却水漏れ跡
- ファンの作動音(アイドリング時)
定期的な点検と早めの異常察知がトラブル防止の鍵です。
実際にあった事例と修理費用の目安
ある30代男性のケースでは、高速道路走行中に白煙を確認し緊急停車。原因はサーモスタットの固着で、部品交換と冷却系洗浄で約3万円の修理費がかかりました。
別の例では、冷却水不足を放置した結果、シリンダーヘッドまで歪み、エンジン載せ替えとなり約50万円かかった事例もあります。
まとめ:白煙とオーバーヒートは重大な警告
エンジンオーバーヒートは、最悪の場合エンジンが焼き付いて全損する非常に危険なトラブルです。
「白煙が出たら即停車」「冷却水の定期点検」「異音や異臭を感じたらすぐ整備工場へ」——これらの対策を徹底し、愛車の健康を守りましょう。
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