バイクの小傷や擦り傷の補修に便利なタッチアップペイント。しかし、塗装後の乾燥時間を誤ると、研磨時に塗膜が削れすぎたり、仕上がりが曇ってしまうことがあります。特に夏場は気温が高いため「すぐに乾く」と思いがちですが、注意が必要です。この記事では、暑い季節におけるタッチアップペイントの乾燥時間と、適切な研磨タイミングについて詳しく解説します。
タッチアップペイントの基本的な乾燥時間
タッチアップペイントは一般的に指触乾燥(触っても指につかない状態)までは30分~1時間、完全硬化までは24時間以上を要すると言われています。ただしこれは気温や湿度、塗布量によって大きく前後します。
特に「完全硬化」の状態にならないまま研磨してしまうと、柔らかい塗膜が削れたり、塗装面がくすんだりする原因になるため、焦りは禁物です。
夏場(30℃前後)の乾燥時間の目安
気温が高い夏場(30℃前後)では、表面の乾燥は早まりますが、内部までしっかり乾くにはやはり時間が必要です。以下が目安です。
- 指触乾燥:20~30分
- 重ね塗り可能:1~2時間後
- 研磨可能:最低でも24~48時間後
気温が高くても、塗料内部の溶剤が完全に揮発して塗膜が硬化するまでには時間がかかります。早く乾かしたい場合は、直射日光を避け、風通しの良い日陰で保管するのがベストです。
研磨のタイミングは「硬化の確認」がカギ
研磨前に塗装の硬化をチェックする方法としては、爪の先で軽く押してみて跡が残らないか確認するのが一般的です。まだ柔らかい感触がある場合は研磨せず、さらに数時間~1日程度放置しましょう。
また、夏場でも夜間は気温が下がり乾燥が進みにくいため、夜間に塗装した場合は翌々日以降の作業が安心です。
失敗を防ぐための乾燥・研磨の注意点
タッチアップペイントの厚塗りは乾燥を遅らせる原因になります。1回の塗布量は極力薄くし、複数回に分けて塗るのが理想です。また、乾燥を早めるためにドライヤーを使う方法もありますが、加熱しすぎると塗膜が割れたり気泡が入る原因になるため注意が必要です。
研磨には#1500~#2000の耐水ペーパーを使用し、塗装面に水をかけながら優しく均すようにしましょう。クリアを塗った場合は、クリア層を研ぎすぎないよう特に慎重に作業してください。
まとめ:夏でもタッチアップ後の研磨は焦らず慎重に
夏場は乾燥が早まるとはいえ、タッチアップペイントの内部硬化には最低24~48時間が必要です。外気温や湿度、塗り方に左右されるため、見た目だけで判断せず、触感やテスト研磨などで状態を確かめてから作業を進めましょう。焦らず丁寧な乾燥・研磨を行うことで、美しい仕上がりと長持ちする塗装面が実現できます。
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