バイクのキャブレターには、押しキャブと吸いキャブの2種類が存在します。これらはエンジンの吸気と排気の方法に違いがあり、キャブレターの設計に影響を与えます。この記事では、押しキャブと吸いキャブの違いや、吸いキャブにおけるスローが外れるタイプの型式について詳しく解説します。
押しキャブと吸いキャブの違い
押しキャブと吸いキャブは、キャブレター内の空気の流れ方に違いがあります。簡単に言うと、押しキャブはエンジンからの排気がキャブレターを通る一方、吸いキャブはエンジン内に吸い込まれる空気がキャブレターを通ります。
押しキャブでは、排気ガスの流れがキャブレターに影響を与え、吸気と排気のタイミングが密接に関連しています。この方式は、エンジンの回転数が低いときに効率が良くなる特徴があります。
吸いキャブでは、エンジンの吸気によって空気がキャブレターを通過し、混合気がエンジンに供給されます。この方式は、吸気効率が高いため、エンジンの出力が向上し、特に高回転時に優れた性能を発揮します。
吸いキャブのスローが外れるタイプの型式
吸いキャブには、スローが外れるタイプのキャブレターも存在します。このタイプは、スロー(低回転域の混合気の供給)が外れることで、エンジンが低速でスムーズに回転しなくなることを防ぎます。特に、エンジンの始動時や低速時に問題が起こりやすい車両で使用されています。
吸いキャブにおける「スローが外れるタイプ」の型式としては、主に以下のものが考えられます。
- Keihin CRキャブレター:このタイプは、スローが外れる設計がされており、低回転時でもエンジンが安定して動作するようになっています。
- Yoshimura TMRキャブレター:こちらもスローの安定性を高める設計が特徴で、特にスロットルレスポンスが良好なモデルです。
これらのキャブレターは、吸いキャブとしてエンジンの低速領域から高速領域までスムーズな動作を提供し、性能向上に寄与します。
キャブレター交換時の注意点
キャブレターの交換やメンテナンスを行う際は、以下の点に注意が必要です。
- 適合性の確認:バイクの型式やエンジンの仕様に合ったキャブレターを選ぶことが重要です。適合しないキャブレターを選んでしまうと、パフォーマンスの低下やエンジン不調の原因になります。
- セッティングの調整:新しいキャブレターを取り付けた後は、スローやメインジェットのセッティングを再調整する必要があります。これにより、エンジンの性能が最大限に引き出されます。
- エアフィルターのチェック:キャブレター交換後は、エアフィルターが詰まっていないか、清潔な状態であるかを確認し、必要に応じて交換しましょう。
まとめ
押しキャブと吸いキャブの違いは、エンジンの吸気と排気の方式に関係しています。吸いキャブは特に高回転時に効率が良く、エンジンの性能向上に寄与します。吸いキャブのスローが外れるタイプの型式は、特に低速走行時のエンジンの安定性を確保するために有用です。キャブレター交換を行う際は、適合性やセッティング調整、エアフィルターのチェックを怠らないようにしましょう。
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