CVT(無段変速機)は燃費性能やスムーズな加速を実現する優れた技術ですが、特に日産車においては「壊れやすい」という噂がつきまとうことがあります。中でもファミリー層に人気の日産セレナはその代表格と言えるでしょう。この記事では、日産CVTの信頼性や他メーカーとの比較、長持ちさせるポイントについて詳しく解説します。
CVTとは?仕組みとメリットを簡単に解説
CVT(Continuously Variable Transmission)は変速ショックが少なく、滑らかな加速が可能なトランスミッションです。従来のAT(オートマチックトランスミッション)と比べて部品点数が少なく、理論上は燃費効率も優れています。
しかし、トルクの伝達方法が異なるため、メンテナンス方法や耐久性に関しては独自の注意点があります。
日産のCVTは壊れやすいのか?
実際に、2000年代後半〜2010年代初頭の一部日産車に搭載された「ジヤトコ製CVT」に不具合報告が相次いだ時期がありました。特に、走行中に変速ショックが大きくなる、加速しない、異音がするなどの症状が多く報告されています。
ただし、近年のモデル(2018年以降)は技術改良が進み、信頼性は格段に向上しています。たとえば、C27セレナ以降のCVTは冷却性能や制御系の改善が図られ、過去の不具合とは大きく異なる仕上がりです。
トヨタのCVTとの違いは?
トヨタも「Direct Shift-CVT」などをはじめとしたCVTを積極採用していますが、制御プログラムの違いや構造の違いにより、耐久性に関する評価はやや優勢とされています。
一例として、ヤリスやカローラに搭載されているトヨタのCVTは、発進時にギアを介在させる独自方式を導入し、発熱や滑りを抑え耐久性を高めています。この構造の違いが信頼性の差につながっているとも言われています。
CVTの寿命に影響する使用条件
CVTの耐久性はメーカーや車種の違いだけでなく、乗り方や環境にも大きく左右されます。以下の条件は劣化を早める要因です。
- 発進・停止の多い市街地走行が多い
- 坂道で頻繁に加減速する
- CVTフルードの交換をしていない
- 長時間のアイドリング
逆に、適切なメンテナンスや穏やかな運転を心がけることで寿命は大きく延ばせます。
CVTを長持ちさせるメンテナンス方法
CVTの寿命を延ばすには、定期的なCVTフルード(オイル)の交換が最も重要です。日産では「無交換推奨」とされていますが、走行距離3万〜5万kmでの交換が現実的な目安とされます。
また、ラジエーターの冷却性能の確認、早めの異音対処、エンジンマウントの点検も並行して行うことでCVTの負担を軽減できます。
まとめ:CVTの信頼性は日々進化している
過去に日産CVTに不具合が多かったことは事実ですが、現在のモデルは改良が加えられ、信頼性は向上しています。壊れやすいというのは「古いイメージ」に基づいた情報であることも多く、現行セレナなどのモデルでは極端に心配する必要はないでしょう。
とはいえ、どんなメーカーでもCVTはデリケートな部品です。適切なメンテナンスと運転スタイルを心がければ、安心して長く乗り続けることができます。
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