エンジンオイルには大きく分けて「鉱物油」「部分合成油」「100%化学合成油」の3種類があります。なかでも価格差の大きい「鉱物油」と「100%化学合成油」について、街乗りメインの車両で本当に体感できるほど違いがあるのか気になる方も多いのではないでしょうか。本記事ではその違いや選び方を実例付きで解説します。
そもそも鉱物油と化学合成油の違いとは
鉱物油は原油を精製して作られたベーシックなオイルです。コストが低く、古いエンジンや軽自動車で使用されることもあります。一方、100%化学合成油は分子構造を人工的に最適化して作られており、耐熱性・酸化安定性・低温始動性に優れています。
化学合成油は長距離走行、高速走行、ターボエンジンとの相性がよく、エンジン内の汚れも抑えやすいという特徴があります。
街乗りメインの車で体感できる違いはある?
街乗りがメインであれば、実際には「劇的な体感差」は出にくいのが事実です。たとえば、加速感や燃費に劇的な違いを感じる人は少ないでしょう。
しかし、始動直後のエンジン音の静かさや、エンジンの滑らかさ、真夏や真冬の始動性では、化学合成油の性能がわずかに上回ることがあります。
走行距離9万km超の車両への影響
2代目フィットなど走行距離が90,000kmを超えている車の場合、エンジン内部にカーボンやスラッジが蓄積している可能性があります。ここで粘度の低い高性能オイル(0W-20や5W-30)を使用すると、清浄作用によりエンジン音が一時的に大きくなることもあります。
一方で、化学合成油はエンジン内部の保護性能が高く、エンジン寿命を延ばす効果が期待できる点もメリットです。
化学合成油の導入で得られたユーザーの声
街乗り中心で年間走行5,000km未満のユーザーからは、「冬の朝一発始動が明らかにスムーズになった」「エンジン音が落ち着いた」などの感想があります。
一方、「特に変化を感じなかった」「コストだけ高くついた」といった意見もあり、走行スタイルやエンジンの状態によって感じ方には個人差があるようです。
コストを抑えつつ性能を求めるなら部分合成油も選択肢に
100%化学合成油は高価なため、費用対効果を考慮して「部分合成油(セミシンセティック)」を選ぶのも一つの手です。性能と価格のバランスが良く、街乗りや通勤・買い物用途には十分な性能があります。
特に、エンジンに大きな負担がかかっていないユーザーには、定期的なオイル交換と部分合成油の使用で十分な保護性能を確保できます。
まとめ:街乗りメインでも化学合成油の恩恵はあるが、過剰性能に注意
鉱物油と化学合成油の違いは、街乗りメインでは劇的ではないものの、始動性や耐熱性、エンジン寿命には確かな影響があります。特に寒冷地や夏場の渋滞が多い環境では、その差が如実に表れる可能性もあります。
ただし、走行距離やエンジン状態に応じて部分合成油を選ぶことでも十分にエンジンを保護できます。コストと性能のバランスを見ながら、あなたのフィットに最適なオイルを選んでみてください。
コメント