RB26エンジンの“たった50cc”がもたらす自動車税の違和感と現実:排気量と課税の境界を考察

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日本の自動車税制度は、排気量に応じて課税額が決定される仕組みになっています。そのため、日産の名機と名高いRB26エンジン(2,568cc)は、わずか50ccオーバーで「3.0Lクラス」の税区分に入ってしまいます。本記事では、なぜ50ccという微差が3Lクラスの課税になるのか、制度の背景や所有者の声、今後の課題などを整理して解説します。

RB26エンジンとは?

RB26DETTエンジンは、1989年から2002年にかけて日産のスカイラインGT-Rに搭載された直列6気筒ターボエンジンで、排気量は2,568ccです。国内外のモータースポーツファンから高く評価され、いまだにカスタムベースやコレクションとしても人気があります。

本来は2.6Lと認識される排気量ですが、日本の自動車税区分上「2.5L超〜3.0L以下」に該当するため、3.0Lクラスの課税額(年間51,000円)が適用されます。

排気量別の自動車税区分とその仕組み

自動車税は以下のように区分されています(普通自動車・自家用・2023年度基準)。

排気量 年額税金
〜1,000cc 29,500円
〜1,500cc 34,500円
〜2,000cc 39,500円
〜2,500cc 45,000円
〜3,000cc 51,000円
〜3,500cc 58,000円

RB26の排気量は2,568ccであるため、「〜2,500cc」ではなく「〜3,000cc」に該当します。実に33cc多ければ6,000円も高くなるのです。

所有者から見た“不条理”の声

RB26ユーザーや自動車ファンからは、「たった50ccの差で不公平だ」「2.6L区分を設けてほしい」といった声がSNSや掲示板でも多く見られます。愛車を長年維持する中で、数千円の差とはいえ、毎年の負担が大きく感じるのは無理もありません。

一方で、RB26が高性能なスポーツエンジンであることから、「趣味の車で税金高いのは仕方ない」と納得する声もあります。

なぜ区切りは2.5Lなのか?制度設計の背景

日本の自動車税制度は、古くから排気量をベースにしており、税収の公平性と徴収効率を目的としています。主な区切りが500cc刻みであるため、2.6Lや2.8Lなどの中間層には不利な側面があります。

また、制度が設計された当時は、現在のような高性能かつ排気量が微妙なエンジンの登場は想定されておらず、時代遅れとの指摘もあります。

今後の税制見直しの可能性は?

近年では排気量だけでなく、CO2排出量や燃費性能に応じた課税に見直すべきという議論も進んでいます。欧州ではすでに導入済みの国もあり、今後の日本でも制度の近代化が期待されます。

現時点では、排気量基準による不合理は残るものの、将来的にはより合理的で公平な課税方法が検討されるかもしれません。

まとめ:RB26の税金問題は根深いが見直しの余地も

RB26DETTに代表されるように、わずかな排気量の差で大きな税負担を強いられるケースは確かに存在します。愛車を大切に乗り続けるユーザーにとっては、不条理に感じるのも当然です。

ただし現行制度ではそれがルールである以上、維持費として理解したうえで対策を立てることが大切です。今後の制度改正に注目しつつ、ユーザー側としても声を上げていくことが重要です。

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