日産と他メーカーの不祥事比較：日産ばかりが目立つ理由とは？

自動車業界で日産に対する信頼性や経営姿勢の問題が取り沙汰されることが多いのはなぜか。本記事では日産の過去の不祥事を整理し、同様に他社で発覚した不正事例と比較しながら、その背景と理由を探ります。

日産が注目される理由：完成検査とカルロス・ゴーン事件

まず日産では、完成検査を無資格の従業員に担当させ、書類上は有資格者として偽装するという不正が発覚しました。このような組織内で長期間にわたり継続した点が問題視されています。

また、カルロス・ゴーン元CEOによる背任容疑や、企業体質を巡る批判も、メディアで大きく取り上げられました。

実は日産だけではなく、トヨタ、スバル、ホンダ、マツダ、スズキ、ヤマハなどでも検査データや安全性の不正が報告されています[参照]

特にトヨタでは歩行者安全テストや衝突試験に関し、申請用データの捏造が明らかになり、日本政府から業界調査も行われました。これにはマツダやホンダも含まれており、一部モデルの販売停止にまで至りました。

メーカー	不祥事の内容	発覚後の対応
日産	無資格完成検査、報酬書類偽装、カルロス・ゴーン問題	リコール対応、組織改革論争
トヨタ／マツダ等	衝突安全性データ改ざん、不適正な認証申請	出荷停止、政府調査、株価下落

日産は組織的な問題が長期化しており、複数のフェーズ（検査不正・経営者問題）で世間の注目を浴びました。

一方で他社の不正も重大でしたが、比較的影響範囲が限定的だったり、安全性能に直結しないケースが多かったため、ニュースの注目度に差が生まれています。

複数企業に共通するのは、「カビ型行為」と呼ばれる、組織内で習慣化した不正行為です。日産・神戸製鋼・他自動車メーカーを含め、同じ仕組みで長期間行われていたことが問題です。

これは内部監査やコンプライアンスだけでは対処しづらく、組織文化の改革が求められる領域です。

日産が際立って見えるのは、不正の種類が多岐にわたり、社会的インパクトも大きかったためです。しかし、他の大手自動車メーカーにも安全性や検査データの問題は存在し、業界全体が信頼回復の課題に直面しています。

今後の改善には、内部統制だけでなく、透明性高いガバナンスと組織文化の刷新が不可欠です。