整備やカスタムでハイエースを2柱リフトで持ち上げたいと考える方は多いですが、問題となるのが作業場所の天井の高さです。今回は、天井高3.5mの空間でハイエースを約1.5mリフトアップする際の注意点や、実際に必要なクリアランスの目安について詳しく解説します。
ハイエースの全高と2柱リフト使用時の基本知識
トヨタ・ハイエースの標準ボディ(ロールーフ)の全高は約1.98m〜2.10m、ハイルーフでは約2.25mほどです。この数値に加え、2柱リフトで1.5m持ち上げると、車体上部は天井に近づきます。
たとえば、標準ボディ車高2.0m+リフト1.5m=3.5mとなり、天井高ギリギリになるため、実際には作業や安全マージンを考慮すると、3.8m以上の天井高が推奨されます。
天井高3.5mでの作業リスクと制限
天井高3.5mの場合、標準ボディのハイエースを1.5mリフトアップすると、ボディ上部と天井の隙間はほとんどありません。そのため以下のような問題が発生する可能性があります。
- 車体上部と天井が接触する危険
- 天井の照明器具や梁との干渉
- リフトアームの制限によるリフト高さの調整不足
結果として、実際にリフトアップできる高さは1.2〜1.3m程度に制限されるケースが多いです。
天井が低いガレージでも安全に作業する方法
天井高が足りない場合でも、以下のような対策で安全にリフトアップ作業を行うことが可能です。
- 可動式2柱リフト:最大揚程を調整できるモデルを選べば、天井に合わせたセッティングが可能。
- アンダーリフト方式の検討:パンタグラフ型など、低天井用のリフトを活用。
- 中間リフト(ミッドライズ):1m程度までの持ち上げが可能で、足回りや下回りの点検に適しています。
必要な作業内容に応じて、フルアップでなくても対応できる場合もあります。
実例:DIYガレージでのリフト活用
ユーザーの中には、「天井高3.4mでハイエース(標準ボディ)をリフトアップしているが、1.2mが限界だった」という声や、「照明を埋め込み型に変更して10cmほど余裕を確保した」といった工夫もあります。
また、作業時にボンネットを開けた状態だとさらに全高が上がるため、整備中の姿勢や車体の状態も計算に入れておくことが重要です。
確認しておきたいポイント
- リフトの最大揚程と車両全高の合計を必ず計算する
- 天井の障害物(梁・照明・換気扇など)も含めて高さを確保
- 安全マージンとして20〜30cmの余裕を見込む
作業の安全性と効率を高めるためにも、リフト設置前の計測とシミュレーションは欠かせません。
まとめ
ハイエースを2柱リフトで1.5m持ち上げたい場合、天井高3.5mではほぼギリギリのラインです。安全に作業するためには最低でも3.8m前後の天井高が望ましく、現状の環境ではリフトアップ量を1.2〜1.3mに制限するなどの調整が必要です。DIY整備の際は、リフトの仕様と車両サイズ、天井の状態を総合的に見て判断しましょう。
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