電気自動車(EV)は「燃料費が安い!」とよく聞きますが、本当にそうでしょうか?特に軽EVである日産サクラや三菱アイミーブのような車種では、維持費の安さが注目されています。しかし、ガソリン車と比較したとき、実際の電気代や充電の手間まで含めたコストはどれほどの差があるのでしょうか?本記事では、EVとガソリン車の燃費・電費・維持費を実際の数字で比較しながら、冷静に検証していきます。
軽EVとガソリン軽自動車の電費・燃費を数字で比較
まずは電費(1kWhあたりの走行距離)と燃費(1Lあたりの走行距離)をそれぞれ見てみましょう。例として以下の条件を設定します。
- アイミーブ電費:5km/kWh
- 自宅電気代:40円/kWh
- ガソリン代:160円/L
- ガソリン車の燃費:25km/L(例:ミライース、アルトエコ)
この条件で1km走るのに必要なコストを計算すると、以下の通りです。
車種 | 燃料費(1kmあたり) |
---|---|
アイミーブ | 40円 ÷ 5km = 8円/km |
ミライース | 160円 ÷ 25km = 6.4円/km |
意外にも、単純な燃料費だけではガソリン車が勝るケースもあるのが現実です。
充電の手間と時間:EV最大の弱点
ガソリン車は給油に数分しかかかりません。一方でEVは、普通充電では数時間、急速充電でも30分ほど必要です。さらに。
- 充電スポットの数が少ない
- マンション住まいでは自宅充電が難しい
- 充電中はその場を離れられない
これらは特に地方在住者や長距離移動をするユーザーにとって無視できないストレスです。
その他の維持費:点検・税金・保険料
一方、EVは次のようなメリットがあります。
- オイル交換やエンジン周りの整備が不要
- エコカー減税や自治体補助金がある場合も
- 軽自動車であれば自動車税も安い(年額1万円程度)
長期的に見れば、整備費用や税金の面ではEVが有利になることもあります。ただし、補助金が終わった後の購入者や、中古車市場での価値下落を考慮する必要があります。
実用性とコスパのバランス:万人向けではないEV
走行距離が短く、日々の移動が通勤や買い物中心であれば軽EVは非常に魅力的です。しかし。
- 充電環境が整っていない
- 遠出や旅行が多い
- 中古で価格差が少ない
といった状況では、ガソリン車の方が「無難」で「安心」な選択になることも十分考えられます。
まとめ:数字とライフスタイルのバランスで選ぶのが正解
電気自動車は必ずしも「絶対に安い」というわけではなく、使い方・電気代・走行距離・充電環境によってその価値は変わります。数字上の燃費比較だけでなく、日々の使い勝手や維持管理の手間を加味して、自分にとってのベストな選択肢を見つけましょう。
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