日産セレナC27 e-POWERは、その静粛性と電動走行による快適さで人気のミニバンですが、前期型と後期型で「バック時の音」が異なることに気づいたユーザーも多いようです。本記事では、その違いと理由、さらには関連する法規制やカスタマイズの可能性について詳しく解説します。
前期型セレナC27 e-POWERのバック音とは?
セレナe-POWERの前期モデル(2018年〜2020年頃まで)では、バック時に流れる音は比較的控えめで、電子的な「ピーピー音」またはわずかなビープ音が主流でした。これは、当時の歩行者警告に関する法規制がまだ義務化されていなかったため、車両ごとに警告音の仕様が異なっていた背景があります。
実際に前期モデルに乗るオーナーの中には「音がほとんどしない」と感じる人もおり、特に静かな住宅街などでは気をつけて運転する必要があったとの声もあります。
後期型では「ファンファン音」が追加
後期型(2020年マイナーチェンジ以降)になると、バック時に「ファンファン」と明瞭な音が鳴る仕様に変更されています。この音はAVAS(車両接近通報装置)の一部であり、電気自動車やハイブリッド車が発進・後退時に歩行者に気づいてもらうための機能です。
この「ファンファン音」は、従来よりも耳に残りやすく、音量や周波数もより広範囲に届く設計になっています。これにより、特に高齢者や視覚障害者の方への安全配慮が強化されています。
変更の背景にある「法改正」と「安全基準」
この違いの最大の要因は、国際連合の「UN R138」という法規制の影響です。2020年以降に製造される新型車にはAVASの装着が義務化され、日本でもこれに準拠した法規が導入されました。
具体的には、車速がおおよそ20km/h以下のときに「電子音」で接近を知らせる必要があり、日産もこの流れに沿って後期型にファンファン音を導入したのです。
実際に乗っている人の体感の違い
前期型では「静かで乗員は快適だが歩行者に気づかれにくい」、後期型では「音はやや気になるが安全性は高い」という声が多くあります。
たとえば、ユーザーAさんは「子どもがいる住宅街で、後期型のファンファン音はむしろありがたい」と感じている一方、ユーザーBさんは「深夜の住宅街では逆に少し気になる」と述べています。
カスタマイズや消音はできるのか?
結論から言うと、AVASの音を任意にオフにすることはできません。これは法規制に基づいているため、無理に加工することは違法行為になる可能性があります。
ただし、ディーラーによっては音量の調整範囲や設定方法に差がある場合もあるため、どうしても気になる方は正規ディーラーに相談してみると良いでしょう。
まとめ:静音性と安全性のバランスを理解しよう
セレナC27 e-POWERのバック音は、前期と後期で仕様が異なります。前期は比較的静か、後期は法令に則った「ファンファン音」を採用。これは単なるデザイン変更ではなく、国際基準に基づいた歩行者保護のための重要な変更です。
静かな電動車だからこそ、安全性のために「聞こえる」配慮が求められているのです。購入時や中古車選びの際にも、こうした違いを理解しておくとより満足度の高いカーライフが送れるでしょう。
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