愛車を長く乗るために「自分で防錆塗装をしたい」と考える方が増えています。特に雪国や沿岸地域では塩害対策として下回りの防錆は非常に重要です。シャーシブラックなどの防錆塗料を使ってDIYで施工するのは有効な手段ですが、やみくもに塗ると車に不具合が出ることもあります。本記事では、塗ってはいけない場所や施工時の注意点について詳しく解説します。
DIYで防錆塗装するメリットと基本の流れ
下回りの防錆塗装を自分で行うことで、費用を抑えつつサビから車体を守ることができます。とくに市販のシャーシブラックは扱いやすく、コストパフォーマンスも良好です。
基本的な手順は以下の通りです。
- 下回りを高圧洗浄・乾燥
- マスキング処理(必要箇所)
- シャーシブラックを均一にスプレー
- 乾燥させて完了
ただし、この中で最も大切なのが「塗ってはいけない場所を避ける」ことです。
シャーシブラックを塗ってはいけない主な箇所
以下の部分には絶対に塗布しないよう注意が必要です。
- マフラー・エキゾーストパイプ:高温になるため、塗料が焼け焦げて異臭や有害ガスが発生する可能性があります。
- ブレーキキャリパーやローター:制動性能に直接関係する部品であり、塗料が付着すると重大な事故につながる恐れがあります。
- ゴム製ブッシュ・ドライブシャフトブーツ:ゴムに塗料が付くと劣化を早めることがあります。
- 排水穴やドレンホール:塞いでしまうと水が溜まり逆効果になるため、必ず避けること。
施工前にライトで下回りを照らしながら、パーツをしっかり確認しておくことが重要です。
誤って塗ってしまった場合の対処法
万が一、塗ってはいけない場所にスプレーしてしまった場合は、すぐにパーツクリーナーや中性洗剤で拭き取るようにしましょう。時間が経過すると固着し、取り除くのが困難になることがあります。
特にブレーキ周りに付着した場合は、安全性に関わるため整備工場での点検をおすすめします。
防錆塗料の種類とシャーシブラックの特徴
防錆塗料には大きく分けて以下のタイプがあります。
- シャーシブラック:塗膜で保護するタイプ。速乾性があり、扱いやすい。
- 浸透性オイルタイプ:内部に浸透してサビを抑える。再塗布が必要だが柔軟性あり。
- ワックスタイプ:被膜が厚く、防水性に優れるが施工ムラに注意。
DIY初心者には、取り扱いやすくホームセンターでも手に入るシャーシブラックが最適です。
施工前後に確認したいポイント
防錆塗装を成功させるには、事前準備と乾燥後の確認が重要です。
- 洗浄後は完全に乾燥させてから塗布する
- 施工時は風の少ない晴天の日を選ぶ
- 乾燥後に指で触れて塗料がつかないかチェック
- 一度塗りで不安な箇所は数日後に二度塗りしてもOK
また、マスキングを丁寧に行うことで、塗ってはいけない部分への付着を防げます。
まとめ:安全にDIY防錆するために知識と準備がカギ
シャーシブラックによる防錆施工は、DIYでも十分に効果を得られる方法ですが、塗ってはいけない箇所を理解することが最も大切です。ブレーキや排熱部など重要な機能に関わる部分への誤塗布は、思わぬ事故や車両不調につながります。
正しい手順と部位の理解、そして安全に配慮した施工を心がければ、自宅でも愛車をしっかりと守ることができます。
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