北海道在住で群馬の中古車販売店と契約後、納車前日に「エンジン不調で納車できない」と連絡があり、飛行機やフェリーなどをキャンセルして費用負担したケース。販売店から自ら引き取りに来るよう催促されている状況において、消費者としてどのような対応が可能かを整理しました。
契約成立の時点とその意味
自販連等のモデル契約書では、⾞両登録、改造開始、納車のいずれか早いタイミングで契約が成立するとされます。契約成立前であれば、消費者はキャンセルを申し出ることができ、販売店は応じる義務があります。ただし、成立後は原則として契約解除には正当事由や違約金条項が必要になります。([turn0search0])
瑕疵・契約不適合責任による対応
エンジン不調は、契約内容に適合しない瑕疵(契約不適合)に該当します。民法上、買主は履行の追完請求、代金の減額請求、契約解除、損害賠償請求などの権利を有します。([turn0search14][turn0search17])
契約遅滞による交通費やキャンセル代の請求
販売店の都合による納期遅延や納車不能は「履行遅滞」にあたります。これにより、旅行のキャンセル費用や航空券・フェリー・宿泊代などの実費経済的損害は請求可能です。ただし、精神的苦痛に対する慰謝料の請求は認められにくいケースが多いです。([turn0search1])
キャンセル料・違約金の妥当性とは
契約書に一律の違約金やキャンセル料の規定があっても、消費者契約法では「平均的損害を超えた契約条項」は無効とされます。販売店が請求できるのは、実際に発生した通常損害の範囲に限られます。([turn0search10][turn0search8])
具体的な対応フローと証拠の残し方
まず契約書・注文書を確認し、契約成立前か後かを判断。そのうえでエンジントラブルの状況や販売店からの連絡記録、予約キャンセルによる費用明細を整理し、販売店に損害賠償を請求することが可能です。
必要に応じて、消費生活センターや法的相談窓口、弁護士への相談も検討してください。特に提示されたキャンセル料などが不合理である場合には、帳簿的証拠を示して協議することが重要です。
まとめ:消費者として認められる権利と要求できるもの
・エンジン不調による納車不能は、契約不適合(瑕疵)として正当な理由。
・納車前の契約解除や損害賠償(交通費、予約キャンセル料等)は請求可能。
・違約金やキャンセル料条項があっても、不合理な金額であれば消費者契約法で無効となり得ます。
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