車の修理で“勝手に直された”…その対応は合法?見積もりを依頼したのに無断修理された場合の対処法

車検、メンテナンス

自動車の修理を依頼する際、多くの人が「見積もりを出してから修理するか決めたい」と考えるものです。しかし、依頼内容が正確に伝わっていなかったり、工場側の対応に不備があった場合、「勝手に修理された」「費用を請求された」というトラブルが発生することがあります。本記事では、このようなケースがなぜ起きるのか、そしてどう対応すべきかをわかりやすく解説します。

見積もり依頼と修理依頼は別物

整備工場でのやりとりでは、「見積もりだけを出してほしい」という依頼と、「すぐに修理してほしい」という依頼は明確に区別されます。この違いを明示しないと、トラブルの原因になります。

たとえば、「エアコンが効かないので見てほしい」と伝えた場合、整備士は「点検をする=必要な作業を進めて良い」と解釈することもあります。これに対し、「見積もりだけ出して、修理は相談の上で決めたい」と伝えていれば、原則として無断で修理されることは避けられます。

勝手に修理された場合の法的立場

整備工場が明確な合意なしに修理を行った場合、それは契約不成立または債務不履行の可能性があります。民法上、契約は当事者の意思表示の合致によって成立するため、「見積もり依頼のみ」の意思が明確であれば、それを超える修理には同意していないことになります。

実際の判例でも、見積もりを前提に依頼した場合、同意なく作業を実施した業者が損害賠償を請求されたケースがあります。ただし、状況によっては「修理の緊急性」や「明確な反対意思がなかった」として、工場側の責任が軽減される場合もあります。

親族が同席していた場合の影響

質問者のケースでは、親が同席して整備作業を見守っていたという点も考慮すべきです。法的には、親が代理人としての立場にあったかどうか、また現場で明確に「修理はしない」と伝えたかどうかが重要になります。

もし親が「これ以上は有料になる」と理解しながら何も言わなかった場合、整備士が「黙示の同意」と捉える可能性もあります。ただし、これは状況証拠に過ぎず、文書や録音がない限りは一方的な解釈になりかねません。

支払いを拒否できるのか?

原則として、依頼者の同意がないまま修理が行われた場合、その費用を支払う義務は生じない可能性があります。ただし、支払いを拒否する際は、「修理を依頼していない旨を明確に伝えること」が重要です。

この際、内容証明郵便などを使って証拠を残しておくと、後のトラブル防止に役立ちます。加えて、消費生活センターや弁護士などに相談し、交渉を代行してもらう方法もあります。

事前にトラブルを防ぐためのポイント

  • 書面で「見積もりのみ」と明記する。
  • 作業前に「修理はしないでください」と口頭でも念押し。
  • 修理内容や費用の説明がないまま作業に入った場合は中止を求める。
  • 整備内容が進んでいる様子であれば、その場で確認し記録を残す。

また、トラブル防止のために、Googleの口コミなどで評判のよい整備工場を選ぶのも有効です。

まとめ:知らずに支払う前にまず確認を

今回のようなケースでは、整備工場側が「黙示の承諾があった」と主張する場合もありますが、依頼者としては「修理を依頼した記憶がない」と明確に伝えることで、支払義務が生じるかどうかが争点になります。

最終的には話し合いや交渉になりますが、消費生活センター法テラスなどの公的機関に相談することで、スムーズな解決を図ることができます。トラブルを避けるためには、「見積もりのみ」の意思表示を口頭と書面でしっかり行うことが最も大切です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました