BMW E60のLEDフォグランプがイグニッションON時にパッシングして消灯する原因と対策

車検、メンテナンス

BMW E60にLEDフォグランプを装着した際、イグニッションONで数回点滅(パッシング)した後に消灯し、玉切れ警告灯が表示されるという現象が報告されています。この現象は純正ハロゲンからLEDに変更した際によく見られるもので、特有の電気的な仕様や診断システムが関係しています。この記事ではその原因と具体的な対策について詳しく解説します。

イグニッションON時に起こるパッシング現象とは

LEDバルブに交換した直後に見られる「点滅→消灯→警告灯表示」は、BMWの球切れ検知機能(チェックコントロール)によるものです。これは、ECUが電球の抵抗値をモニタリングし、不一致があると異常と判断して警告を出す仕様です。

純正のハロゲンバルブと比べて、LEDは消費電力が小さく、電気的負荷も少ないため、ECUは「バルブが切れている」と誤認識してしまうことがあります。その結果、フォグランプが一時的に点灯した後に遮断されることがあります。

LEDバルブに極性が関係ない理由

LEDには極性があるものの、E60のようなCAN通信車では、正しい方向に装着されていれば点灯します。今回のような点滅や消灯は極性の問題ではなく、あくまで車両の自己診断機能によるチェックによるものです。

特にBMWの場合、点火後すぐに「パルス電流」を流してランプの状態を診断するため、LED側がこれに対応できないと点滅後に制御が遮断されるという動作になります。

玉切れ警告灯が表示される原因

LEDバルブは通常の電球と比較して抵抗値が極端に低いため、車両側は負荷がない(=玉切れ)と判断し、警告灯を点灯させます。これは正常な動作であり、車両が故障しているわけではありません。

また、フォグランプはヘッドライトと連動して点灯している場合でも、チェック機能は独立して動作するため、ヘッドライト点灯中でも警告灯が消えることは基本的にありません。

対策①:キャンセラー付きLEDバルブを使用する

最も一般的な対策は、抵抗内蔵(キャンセラー付き)のLEDバルブを使用することです。キャンセラーは電球と同等の負荷を擬似的に発生させるため、ECUは正常な電球が装着されていると認識し、警告灯が出ません。

ただし、安価なキャンセラーは発熱が大きく、配線トラブルの原因になるため、品質の高い製品を選ぶことが重要です。

対策②:コーディングで球切れ検知機能を無効化する

BMW専用のコーディングツール(例:NCS Expert、BimmerCodeなど)を使い、「コールドチェック(Cold Monitoring)」を無効にすることで、チェック機能を止めることができます。

この方法は車両システムに手を加えるため、DIYで行う場合は自己責任で。専門ショップに依頼することで安全かつ確実に設定が可能です。

実際の事例と改善結果

事例:E60 525iに社外製LEDフォグを装着。点滅+消灯+警告灯の症状が出現。

対応:キャンセラー付きLEDに変更+BimmerCodeで球切れ検知OFF→正常点灯&警告灯非表示となり解決。

まとめ

BMW E60にLEDフォグランプを装着した際の点滅や警告灯の原因は、車両の自己診断システムによるものです。極性ではなく、消費電力の違いによって異常と認識されていることが多く、キャンセラーの導入やコーディングによって解決できます。

電気が苦手な方でも、この記事を参考にすれば安全なLED化を実現できます。もし不安があれば、BMW専門のショップに相談するのもおすすめです。

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