ライブディオZXをチューンしているライダーの多くが目標とするのが、メーター読み80km/h以上の速度到達です。カメファクやCDI交換、ハイスピードプーリーなどを装着してもなお最高速が70km/h前後で頭打ちになるケースも少なくありません。本記事では、そんな状況を打破するための具体的な対策を解説します。
現在の仕様とその限界を整理する
まずは現在の仕様を整理しましょう。以下のようなパーツ構成の場合、ある程度のチューンは施されています。
- キャブレター:パワフィル+MJ90
- 駆動系:ハイスピードプーリー、WR7.5g×3(合計22.5g)
- 点火系:CDI(カメファク青箱)
この仕様で70km/hまで到達しているのは妥当なラインですが、80km/hを狙うにはもう一歩踏み込んだ調整が必要です。
ウエイトローラーの見直しとセッティングの重要性
ウエイトローラー(WR)の重量バランスは、加速と最高速のバランスを大きく左右します。現在の7.5g×3では比較的軽めなため、中速の伸びは良くても最高速域でプーリーが開ききらない可能性があります。
一例として、6.5g〜8.0gあたりで3個セットを数パターン試し、実走で回転数と速度の関係を見ることで最適な重さを絞り込むのが有効です。WRを均一にするよりも、段階的に重さを変えることでレスポンスが向上する場合もあります。
プーリーボスやベルト長のチェックも忘れずに
プーリーを交換した際に、ボスやベルトが純正のままだとハイスピード化の恩恵が十分に得られないことがあります。ベルトが短すぎてプーリーの外周まで届いていないと、理論上の最大径が活かせません。
推奨されているカメファクのベルトや、ボスの変更(たとえば短縮加工済みのもの)により、プーリーが最大まで開くよう調整する必要があります。
パワフィル+MJ90は合っているか?混合気の見直し
パワーフィルターを使用することで吸気量は増加しますが、それに合わせたメインジェットの選定が非常に重要です。MJ90はあくまで目安であり、地域の気温・標高・排気効率により適正値は変動します。
プラグの焼け具合を確認し、薄すぎず濃すぎずの範囲(きつね色)に収まるようMJを88〜95程度の間で試行錯誤することが鍵です。
CDIや点火時期の影響を理解する
カメファク青CDIはリミッターカットタイプとして人気ですが、車体側の配線やステーターコイルが劣化していると、本来の点火性能が活かせない場合もあります。
点火系トラブルを防ぐためにも、プラグキャップやプラグコードの接触不良、コイルの抵抗値などもチェックし、エンジン回転数が無理なく上がる状態に整えることが大切です。
最終的に速度80km/hを目指すには
最高速を伸ばすには、吸気・排気・駆動系・点火系の総合バランスが求められます。以下のような順で見直すと効果的です。
- WR重量の調整とセッティングの見直し
- プーリーボスやドライブベルトの再検討
- メインジェット番手とプラグ焼けチェック
- 点火系パーツの劣化確認と交換
さらに排気系(マフラー)を交換することで、より高回転の伸びを引き出せるケースもありますが、音量や法規制への配慮も忘れずに。
まとめ:80km/hを狙うなら細部の調整がカギ
ライブディオZXを70km/hから80km/hへ引き上げるには、大がかりなパーツ交換よりも、今あるパーツのポテンシャルを引き出すセッティングが鍵です。特にWRやベルト長の再確認、吸気燃調の見直しが非常に効果的です。
トライ&エラーの繰り返しで少しずつ理想に近づいていくプロセスもまた、チューニングの楽しさのひとつ。安全第一で、合法の範囲内でベストな仕様を目指しましょう。
コメント