ブレーキローターを交換する際、社外品を選ぶことでコストを抑えたりパフォーマンスを向上させたりできます。しかし、純正の外径とわずかに異なるサイズを使用する場合、果たして安全性や性能に問題はないのでしょうか。この記事では、外径が純正より小さいローターを使う際の影響や注意点を詳しく解説します。
外径の違いが与える影響
今回の例では、純正リアローターがφ319mmで、社外品がφ316mmとわずかに小さいサイズです。この3mmの差は見た目にはほとんど変わりませんが、制動性能に影響する可能性があります。
ブレーキの制動力は「ローター半径 × キャリパーの制動力」によって決まります。半径がわずかに小さくなると、理論的には制動力も若干低下します。ただし3mm程度の差であれば、日常走行レベルでは体感できないケースが多いでしょう。
キャリパーとの干渉や当たり面の問題
注意すべきはキャリパーとパッドの当たり面です。純正サイズより外径が小さいと、パッドがローター外周をはみ出す「段付き摩耗」が発生するリスクがあります。この状態で走行を続けるとパッドの一部だけが摩耗し、制動力の低下や異音の原因になることがあります。
実際に装着する際は、パッドとローターの接触面を確認し、全面にしっかり当たっているかをチェックすることが重要です。
厚みが同じ場合のメリットと注意点
今回のケースでは厚みが純正と同じとのことですが、これは重要なポイントです。ローターの厚みが違うとキャリパーピストンの出具合に影響し、ブレーキフィーリングや耐久性に悪影響を与える可能性があります。厚みが同じであればそのリスクは回避できます。
ただし外径が異なる場合、ローターの冷却性能や放熱性が微妙に変わることも考えられます。長時間の下り坂やサーキット走行など高負荷時には純正設計との差が出ることもあります。
実例:社外ローター装着後のトラブル事例
あるユーザーは、純正より5mm小さいローターを装着したところ、半年ほどでパッドの片摩耗が進行しました。特にスポーツ走行を行う人では、摩耗や制動力の偏りが顕著になる可能性があります。
一方で、街乗りメインで社外ローターを選んだユーザーからは「コストを抑えつつ問題なく使えている」という声もあります。つまり、使用環境によってリスクの大きさは変わります。
まとめ
純正外径319mmに対して316mmの社外ローターを装着することは理論上可能ですが、制動力の低下やパッドの当たり不良といったリスクがあります。日常走行では大きな問題にならない場合が多いものの、安全性を最優先するなら純正サイズを選ぶのが安心です。どうしても社外品を使用する場合は、取付後のパッドの接触状態を必ず確認し、定期的に点検することをおすすめします。
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