ストラットとマルチリンク・ダブルウィッシュボーンでタワーバーの使用が異なる理由

車のサスペンション構造によって、タワーバーの使用が異なるのはなぜか？ストラット式サスペンションではタワーバーがよく使われますが、マルチリンクやダブルウィッシュボーンではあまり見かけません。この違いについて解説します。

サスペンションの種類と役割

サスペンションは車両の走行性能や安定性に大きく影響を与える重要な部分です。ストラット、マルチリンク、ダブルウィッシュボーンといったサスペンションのタイプはそれぞれ異なる特性を持っています。これらの構造の違いが、タワーバーの使用に影響を与えます。

ストラット式サスペンションとタワーバー

ストラット式サスペンションは、構造が比較的単純で、サスペンションのピストンと車体の接続部分（サスペンションタワー）に強い力がかかります。タワーバーは、この部分の剛性を高めるために使われます。特にフロント部分では、サスペンションタワーが左右に動きやすいため、タワーバーによってその動きを抑制し、車両の安定性を向上させます。

マルチリンクやダブルウィッシュボーンとの違い

マルチリンクやダブルウィッシュボーン式サスペンションは、ストラット式に比べて複雑なリンク構造を持ち、車両の安定性を保つために他の方法で剛性が確保されています。そのため、タワーバーを使用しなくても十分な安定性が得られるため、タワーバーの必要性が低いとされています。

タワーバーの必要性と設計の違い

ストラット式サスペンションでは、サスペンションのトラベル（上下動）が比較的大きく、特にハードな走行時にはサスペンションタワーが変形しやすいため、タワーバーで補強する必要があります。一方、マルチリンクやダブルウィッシュボーンでは、サスペンション自体の設計がより優れており、力がより分散されるため、タワーバーがなくても安定して動作します。

まとめ

タワーバーがストラット式サスペンションでよく使用される理由は、その構造上、サスペンションタワーにかかる力を抑えるための補強が必要だからです。マルチリンクやダブルウィッシュボーン式サスペンションは、タワーバーなしでも十分に安定性を保つことができるため、必ずしもタワーバーを必要としません。