もう一度バイクで走りたい道。記憶に残る絶景ロードと失われた名道たち

バイク

バイクに乗る魅力の一つは、“道そのもの”が目的地になり得ることです。かつて走った道、もう二度と通れない道、今でも記憶に焼きついている絶景や風の匂い…。今回は、バイク乗りたちが「もう一度走りたい」と願う、日本各地の名道たちを紹介しつつ、今なお語り継がれる走行体験について掘り下げてみます。

乗鞍スカイライン:かつての天空の道

岐阜県に位置し、標高2,700mまで駆け上がる乗鞍スカイライン。バイクで走れる日本最高所の舗装道路として知られていました。現在では環境保護の観点からマイカーおよび二輪車の通行は規制され、シャトルバスなどのみが通行可能となっています。

筆者も2000年代前半にキャブ車で訪れ、薄い空気にエンジンが力を出しきれない感覚を味わいながら、それでも頂上の大パノラマに心を打たれた記憶があります。今はもう走れなくとも、その「走った記憶」が何よりの宝物です。

志賀草津高原ルート:硫黄の香りと絶景が交差する峠道

長野から群馬をつなぐ志賀草津高原ルートは、地蔵峠・渋峠と続く日本屈指の山岳ワインディングです。標高2,172mの渋峠は、バイク乗りにとって“聖地”とも言える存在。

しかし、火山活動の影響で一部区間が恒常的に通行止めになることもあり、思い出のルートとして語られるケースが増えています。硫黄の匂いが鼻をつき、硫化水素ガスの看板に一瞬緊張しつつも、そのスリルすら旅のスパイスだったと振り返る人は多いです。

開陽台〜摩周湖:北海道ツーリングの原風景

道東エリアに広がるこのルートは、空と大地しかない直線路と神秘的な湖がセットで楽しめる、まさにバイク旅の聖域。とくに開陽台の展望台から眺める地平線は、「地球が丸い」を実感できる絶景。

現在でも通行可能ですが、距離とアクセスのハードルが高いため、なかなか再訪できないという声も。多くのライダーが“もう一度あの道を”と願う場所のひとつです。

通行止め・消滅した道たちの記憶

災害や土砂崩れ、行政判断で通行止め・廃道化してしまった道も多く存在します。たとえば、紀伊半島の国道425号の一部や、四国の剣山スーパー林道などは、安全性確保のために閉鎖されて久しく、もはや走れる「幻の道」となりつつあります。

こうした道を走った記憶は、まさに一期一会の出会い。ロードノイズや野鳥の声まで思い出せるほど、鮮明に残るという方も少なくありません。

もう一度走りたいと思える道を増やすには

過去の名道を懐かしむことも大切ですが、同時に“今”走れる魅力的な道を探すのもバイクライフの楽しみです。SNSやツーリングアプリを活用すれば、知らなかったローカルルートや季節限定の絶景ポイントに出会えることも。

また、バイク仲間と「あの頃の道」を語り合うことで、ツーリング先の候補や新たな目標が見つかることもあるでしょう。記憶の中の名道を胸に、次の旅路へと踏み出すのも素敵な一歩です。

まとめ

もう走れない道、遠くて行けない道、思い出とともに色濃く残るバイクの名ルートたち。乗鞍スカイラインや志賀草津高原ルートのような“失われた道”にも、それぞれの走行体験が詰まっています。

もう一度走りたい、という気持ちは、バイクに乗る楽しさの証。その記憶を原動力に、今を走る道にも新たな感動を見つけていきましょう。

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