バイク用ヘルメットは、ライダーの命を守る最も重要な装備の一つです。その装着方法について、疑問を持ったことがある人も少なくないでしょう。特に、ヘルメットを被る際に顎紐の根元を両手で引っ張って頭に通すという方法が、ヘルメットの劣化や破損につながらないか気になる方もいるかもしれません。この記事では、正しいヘルメットの被り方と劣化のリスクについて、実例とともに解説します。
顎紐を引っ張って被る方法は一般的な装着手順
フルフェイスヘルメットやジェットヘルメットを被る際、顎紐の付け根部分(Dリングまたはバックルのあたり)を両手で持って広げる方法は、実は多くのメーカーが推奨するスタンダードな装着手順です。
これは、内装を潰さずにスムーズに頭を通すための動作であり、正しく行えばヘルメットへのダメージを最小限に抑えることができます。
たとえば、AraiやSHOEIといった国産大手メーカーも、説明書内でこの方法を推奨しており、「内装の型崩れ防止と快適な被り心地を得るために有効」と記載しています。
どんな時にヘルメットが傷むのか?
ヘルメットは、使用や保管の仕方によって劣化のスピードが大きく変わります。被り方よりも、以下のような行為のほうが遥かにダメージを与えやすいです。
- 片手で無理に広げて装着する(シェルに偏った力が加わる)
- 落とす・ぶつける(構造体に衝撃)
- 日光が当たる場所に長時間放置(外装の樹脂劣化)
- 内装を洗わずに使い続ける(汗や皮脂によるパッドの劣化)
つまり、顎紐を両手で引っ張って被る程度で壊れるようなヘルメットは、安全性の面からもすでに限界に達している可能性が高いです。
長持ちさせるための使用・保管のコツ
ヘルメットの寿命はおおよそ3〜5年とされていますが、正しい使い方とメンテナンスをすれば、快適に使える期間を延ばすことができます。
- 被るときは必ず両手で顎紐の根元を広げる
- 使用後は風通しの良い日陰で乾燥させる
- 内装は定期的に外して洗うか、消臭スプレーを使う
- 直射日光や高温多湿の場所を避けて保管する
また、外装に傷がついたり、内部の発泡スチロール(衝撃吸収材)に変形があれば、外見が無事でも交換を検討した方が良いです。
メーカーが想定する正常な使い方とは
Arai、SHOEI、Kabutoなどの主要メーカーでは、ヘルメットの被り方について詳細なマニュアルが付属しています。その中でも、「顎紐を持って広げ、内装を潰さないように装着する」ことが丁寧に解説されています。
実際の動画マニュアルでも、顎紐を左右に軽く引いてヘルメットを拡げる動作は推奨されており、「内装のヘタリを防ぎ、頭部へのフィット感を損なわない」と説明されています。
つまり、この装着方法は「正しい使い方」であり、素材や構造もそれを前提に設計されています。
まとめ:顎紐を引っ張って被るのは問題なし。ただし雑な扱いには注意
バイクヘルメットを被る際に顎紐を引っ張る動作は、正しく行えば問題なく、むしろ推奨される方法です。ただし、片手で無理に広げる、落とす、日光に晒すといった扱いが劣化や破損の原因になります。
ヘルメットは命を守る重要な装備。正しい装着方法と日々のメンテナンスを心がけ、安全なライディングを楽しみましょう。
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