「ハイエースは乗り心地が悪い」というイメージは根強くありますが、実際に試乗した人の中には「思っていたより快適だった」と感じるケースも多くあります。それは果たしてタイヤやグレードの違いによるものなのか?それとも個人差なのか?この記事では、ハイエースの乗り心地に関する一般的な印象と、快適性に影響する具体的な要因について解説します。
なぜハイエースは「乗り心地が悪い」と言われるのか
商用バンとしての性質上、ハイエースは「耐久性・積載性・走破性」を重視して設計されており、乗用車とは異なるサスペンション構造(リーフリジッド式)を採用しています。
このため、空荷の状態ではリアが跳ねやすい、段差で衝撃を強く感じるといった特性が出やすく、乗用車と比較すると「硬い」「揺れる」といった評価がされがちです。
純正15インチタイヤと乗り心地の関係
ハイエースのディーゼル4WDモデルで純正15インチタイヤを履いた状態は、実は快適性を確保しやすい条件が整っています。
タイヤサイズが大きすぎないため、サイドウォールにある程度の厚みがあり、路面からの衝撃を吸収しやすい傾向にあります。逆にインチアップした17インチや18インチのロープロファイルタイヤを装着すると、乗り心地は一気に硬くなる傾向が強まります。
4WDモデルとFRモデルで異なる乗り味
ハイエースには2WD(FR)と4WDがあり、4WDモデルの方が車重が重く、結果的に乗り心地がマイルドになりやすいという傾向があります。
また、4WDは前後に駆動が分散されるため、挙動が安定しており、雪道や悪路での安心感も相まって“乗りやすさ”につながっている可能性があります。
個人差による感覚の違いも無視できない
「乗り心地が良い・悪い」は非常に主観的な感覚です。過去にスポーツサスペンションを装着した車やトラック系車両に乗っていた経験がある方にとっては、ハイエースの乗り心地がむしろ“柔らかく感じる”こともあります。
一方で、セダンやミニバンのように静粛性や滑らかさを追求した車両に慣れている人からすれば、「硬い」と感じるかもしれません。つまり、“鈍感”というよりは“慣れ”や“基準”の違いと言えるでしょう。
後付けで乗り心地を改善する方法
もし将来的に「やっぱりもう少し快適にしたい」と思った場合には、次のような方法で改善が可能です。
- 社外ショックアブソーバーの交換:KYBやビルシュタイン製の快適性重視モデルが人気
- タイヤの銘柄・空気圧の見直し:クッション性の高い銘柄を選び、空気圧もやや低めに設定
- リアリーフの追加や変更:積載が少ない用途なら柔らかめのリーフスプリングへ交換
- シートのクッション変更やサポート追加:体への負担軽減にも効果的
これらのカスタムはハイエースオーナーの間では比較的メジャーで、快適性重視のスタイルへシフトすることも十分可能です。
まとめ:ハイエースの乗り心地は条件次第で大きく変わる
ハイエースの乗り心地に対する評価は、グレード・駆動方式・タイヤサイズ・乗り手の経験などによって大きく異なります。純正15インチ+ディーゼル4WDという組み合わせは、むしろ快適な部類に入る仕様と言えるでしょう。
「想像より良かった」と感じたのは、それら複数の要素がうまく噛み合っていた結果であり、ご自身の感覚も“鈍感”なのではなく、素直な評価のひとつとして十分妥当です。
今後ハイエースを選ぶ際には、ぜひこうしたポイントを踏まえて、自分に合った1台を見つけてください。
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