RS125Rとスリックタイヤの進化：バイアスからラジアルへの転換期を探る

1990年代初頭、ホンダのRS125Rは多くのライダーに愛されていました。当時、スリックタイヤの主流はバイアス構造であり、ラジアルスリックタイヤはまだ一般的ではありませんでした。しかし、技術の進歩とともに、ラジアルスリックタイヤが市場に登場し、徐々に普及していきました。

バイアススリックタイヤの特徴

バイアススリックタイヤは、構造がシンプルで製造コストが低く、当時のレーシングシーンで広く使用されていました。特に軽量な125ccクラスのバイクには適しており、RS125Rにも多く装着されていました。

しかし、バイアス構造は高速走行時の安定性やグリップ力に限界があり、より高性能なタイヤの登場が求められていました。

1990年代中盤になると、ラジアルスリックタイヤが登場し始めました。ラジアル構造は、バイアスに比べて高速走行時の安定性やコーナリング性能が向上しており、特にサーキット走行を重視するライダーに支持されました。

当初は高価で入手が難しかったラジアルスリックタイヤも、徐々に価格が下がり、一般のライダーでも手に入れやすくなっていきました。

RS125Rは軽量で高回転型のエンジンを搭載しており、シャープなハンドリングが特徴です。ラジアルスリックタイヤを装着することで、さらにコーナリング性能が向上し、サーキットでのタイム短縮が期待できます。

ただし、ラジアルタイヤは適切な温度管理が必要であり、特に冷間時のグリップ力には注意が必要です。

1990年代後半から2000年代初頭にかけて、RS125Rにラジアルスリックタイヤを装着するライダーが増えていきました。特に地方のサーキットや草レースでは、バイアスからラジアルへの移行が進み、タイム向上や安定性の向上が報告されました。

一方で、街乗りやツーリングを主とするライダーの中には、バイアススリックタイヤの柔らかい乗り心地を好む人もおり、用途に応じた選択が求められました。

RS125Rにおけるスリックタイヤの進化は、1990年代中盤から後半にかけて、バイアスからラジアルへの転換期を迎えました。ラジアルスリックタイヤの登場により、より高い性能を求めるライダーにとって新たな選択肢が増え、RS125Rのポテンシャルを最大限に引き出すことが可能となりました。