カーコーティング後に浮きシワのような模様が発生し、それを処理する過程で塗装が剥げてしまった――このようなケースに遭遇すると、誰でも不安になります。この記事では、ガソリンスタンドでの対応は妥当だったのか、なぜコンパウンドで磨いたのか、そして今後どのように交渉・確認を進めていくべきかについて、塗装とコーティングの専門的な観点から解説します。
レジンの拭き残しと「浮きシワ」の関係
クリスタルキーパーなどのガラス系コーティングは、硬化型のレジン層(トップコート)を形成します。このレジン層が均一に拭き取られなかった場合、部分的にシワのような模様や曇りが発生することがあります。
このような症状は、単なる仕上げミスによる表面のムラである可能性が高く、塗装の不具合ではないため、慎重な処置が求められます。
なぜコンパウンド処理を行ったのか?
浮き模様を除去する方法として「軽度のコンパウンド磨き」は一般的です。しかし、粗めのコンパウンドを使用すると、クリア層や下地の塗装を傷つけたり、最悪の場合塗装を剥がしてしまう危険性があります。
今回のように模様の正体がレジンの拭き残しであれば、専用のリセット剤(施工店用ケミカル)や、超微粒子コンパウンドでの軽い処理にとどめるべきでした。施工者が資格を持っていたとしても、判断と処置方法を誤った可能性があります。
ガソリンスタンド側の対応は適切だったのか
粗めのコンパウンドにより塗装を剥がしてしまった後、スタンド側が「部分塗装+全体クリア再施工」という対応を提案した点については、一応誠実な対処と評価できます。
ただし、再塗装が元の状態と完全に一致しないリスク(色味・質感の差)や、再施工による保証対象外になる可能性について、書面などで明確に説明を受けるべきです。
今後の交渉・対応で気をつけるポイント
今後のやり取りで確認・要求すべき内容は以下のとおりです。
- 再塗装部分の範囲と使用塗料の詳細
- 施工後の保証期間と内容(色ムラ、剥離の再発時の対応など)
- 施工記録の提出(誰が、どんな方法・材料で処理したか)
- 必要であれば、自動車補修業界団体(JASPA)など第三者の意見を仰ぐ
また、スマホで施工前後の写真を保存しておくと、後々の証拠にもなります。
実際のトラブル事例とアドバイス
過去にも同様のトラブルは報告されており、多くは「拭き残し」を磨きで除去しようとして二次被害(塗装剥がれ)を起こしています。
たとえば、2022年に某県で報告された事例では、ユーザーが指摘した模様を「汚れ」と判断し、スタッフがポリッシャー+粗コンパウンドで磨いた結果、下地塗装まで露出。最終的にディーラー経由で全パネル再塗装となったケースがありました。
まとめ:塗装トラブル時は「冷静に記録・確認・交渉」が基本
今回のようなコーティング後の塗装剥げトラブルでは、まず「なぜその処置が必要だったのか」を聞き、作業内容の記録を求めることが重要です。感情的に動かず、事実ベースで確認し、納得できない場合は第三者への相談も視野に入れましょう。
結果的に補修で済むこともありますが、将来的な下取りや価値への影響も踏まえ、今後の保証や対応内容をしっかり文書で残すことが、後悔しないポイントとなります。
コメント