街中には、ディーラーではない個人経営の車屋さんでも新車を販売している店舗が少なくありません。一見すると不思議に思えるこの現象ですが、実は仕組みを知れば納得できる理由が隠れています。今回は、そうした車屋がどうやって新車を仕入れ、どのように価格を設定しているのかを詳しく見ていきます。
新車はディーラー以外でも仕入れ可能なのか?
答えは「可能」です。個人経営の車屋や中小規模の販売店は、いわゆる「サブディーラー」や「業販店」として、新車を仕入れることができます。これらの店舗は、自動車メーカーや正規ディーラーと直接の契約があるわけではないものの、複数のディーラーとのネットワークを通じて新車を仕入れているのです。
たとえば、Aという車屋がBディーラーと提携し、顧客から受注があるたびにBディーラーから車を仕入れて納車する、という構図が一般的です。
仕入れ価格はどうなっている?割引や掛け率の実態
メーカーが直接、個人の車屋に車を「何掛け」で販売するということは基本的にありません。多くのケースでは、正規ディーラーが一定の「業販価格(業者販売価格)」でサブディーラーに提供します。この業販価格は、車種や時期、販売実績により異なりますが、おおむね定価の90〜95%程度になることが多いです。
つまり、個人の車屋はディーラーよりは安くは仕入れられないものの、営業努力によって値引き交渉や仕入れ先の工夫をすることで、競争力ある価格を提示できるのです。
サブディーラーの強みとサービスの柔軟性
サブディーラーの魅力は、何と言っても柔軟なサービス提供にあります。メーカー縛りがないため、複数メーカーの車種を横断的に扱えるほか、ナビ・ETC・ドライブレコーダーなどのオプションも自由に選定・取り付けできるという利点があります。
また、ローンやリース、メンテナンスパックの組み合わせも多様で、ディーラーにはない提案が可能になることも。こうした柔軟性が、根強い人気の理由になっています。
新車は本当に「新車」なのか?登録や保証の確認も重要
一部のサブディーラーでは「登録済未使用車」や「届出済未使用車」といった車を「新車」として販売しているケースもあります。これらはナンバー登録だけされていて実際には走行していない車ですが、厳密には新車ではなく「未使用中古車」です。
購入時には、車検証の登録日や初度登録年月、メーカー保証の有無などをしっかり確認することが大切です。
ディーラーと個人経営の車屋、どちらが安いのか?
必ずしもディーラーが最安とは限りません。個人の車屋は、仕入れ先や販売戦略によってディーラー以上の値引きが可能な場合もあります。特に決算期やモデルチェンジ前には値引きの余地が広がるため、複数店舗での見積もり比較がおすすめです。
ただし、アフターサービスや保証体制、点検の利便性などもトータルで比較し、自分に合った購入先を選ぶことが大切です。
まとめ|個人の車屋でも安心して新車は買える
ディーラーでなくとも、個人経営の車屋や業販店から正規の新車を購入することは十分に可能です。その背景には、メーカーとディーラー、そしてサブディーラーのネットワークによる複雑な仕入れ構造が存在します。
「どこから買うか」ではなく「どんなサポートと価格で買えるか」が、これからの新車購入では重要な判断基準になりつつあります。
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