交通違反の点数制度と「無事故・無違反による回復」ルールの変遷を解説

車の運転に関わるルールの中でも、交通違反に対する「点数制度」はドライバーにとって非常に重要です。違反点数が一定以上になると免許停止や取り消しといった重い処分が科されるため、日常の運転で慎重さが求められます。この記事では、違反点数の回復ルールやその制度の変遷について解説します。

交通違反点数制度の基本

日本の運転免許制度では、違反や事故に応じて一定の点数が加算され、累積点数が多くなると行政処分の対象になります。たとえば、速度違反（15km超20km以下）なら1点、信号無視で2点、飲酒運転なら13点といったように、違反の内容によって点数が異なります。

この点数は「加点方式」と呼ばれ、違反をするたびに累積していきます。そして、過去3年間の累積点数に基づいて処分の判断が下される仕組みです。

よく知られている制度に「軽微な違反の後、3か月間無事故・無違反なら点数がリセットされる」というルールがあります。これは現行制度で正式に運用されている仕組みで、1回の違反（3点以下）をしたドライバーが、その後3か月間まったく違反や事故を起こさなければ、違反点数は消滅します。

ただしこの制度はすべての違反に適用されるわけではなく、複数回の違反や重大事故がある場合は対象外です。

現在のような「3か月無違反で点数リセット」制度が制度化されたのは、平成7年（1995年）の道路交通法改正以降とされています。したがって、平成5年（1993年）当時にはこのルールは存在しておらず、一度加算された点数は一定期間（通常1年）経過しないと減少しない仕組みでした。

そのため、当時違反をしてしまったドライバーは、軽微な違反であっても原則1年間はその点数を保持し続ける必要があり、現在よりも厳しい制度だったと言えるでしょう。

点数が減点（実際は加点式）された場合でも、次のような制度で回復することが可能です。

たとえば2024年に信号無視（2点）をしてしまった場合、3か月間何もなければ点数はリセットされます。ただし、もし次の違反を短期間に起こすと、点数は合算されて処分の対象になります。

一方で平成5年に同じ違反をした場合、その点数は最低でも1年間保持され、次の違反によって即座に免停や講習対象になっていた可能性があるため、制度の厳しさに差があることがわかります。

交通違反の点数制度は年々改正され、軽微な違反者に対しては一定の救済が設けられています。「3か月無事故・無違反でのリセット」ルールもその一つで、平成5年当時にはなかった制度です。

ドライバーとしては制度の変化を正しく理解し、うまく活用することが、免許を守り安心して運転を続けるための鍵になります。