近年、セルフ式ガソリンスタンドの普及とともに、燃料の種類を誤って給油してしまうトラブルが増加しています。特に「軽自動車には軽油?」という誤解は根強く、JAF(日本自動車連盟)によると1カ月で100件を超える入れ間違いが発生しています。本記事では、なぜこのようなミスが起こるのか、その背景と予防策、そして万が一間違えた場合の対処法までを詳しく解説します。
なぜ燃料の入れ間違いが起きるのか
燃料の入れ間違いの原因として最も多いのは、「車両ごとの燃料の種類を正確に把握していない」ことです。特にレンタカーや社用車を使用する際、普段使っている車とは違う仕様であることに気づかず、うっかり誤ったノズルを使ってしまうケースが目立ちます。
さらに、「軽自動車=軽油」といった語感による誤解も根強く、知識がないまま給油に至るとミスが起こりやすくなります。
セルフスタンドならではのリスクと背景
有人スタンドではスタッフが車種を確認し、間違った給油を防ぐ役割を担っていました。しかし、セルフ式ではその確認作業をドライバー自身が行う必要があるため、慣れていない人にとっては誤操作のリスクが格段に高くなります。
また、給油機のノズルが「色分け」されているにも関わらず、各スタンドで若干異なる配色である点も混乱を招く一因です。例えば、レギュラー=赤、ハイオク=黄、軽油=緑が一般的ですが、例外も存在します。
具体的な事故例とその影響
実際にJAFに寄せられた事例では、軽自動車に軽油を誤給油したことでエンジンが故障し、レッカー移動やタンク洗浄、修理費などで総額10万円以上の負担が発生したケースもあります。
特にディーゼル車にガソリンを入れてしまうと、噴射ポンプの損傷など重大なエンジン故障を招く可能性が高く、軽微なミスが高額な修理に繋がる恐れがあります。
入れ間違いを防ぐための対策
- 給油前に燃料キャップを確認する:車両の給油口や説明書に燃料の種類が明記されています。
- レンタカー利用時は必ずスタッフに確認:返却前の給油時には、事前に燃料の種類を確認しておきましょう。
- スマホにメモを残す:自家用車であっても、不安な場合はスマホにメモしておくと安心です。
- セルフスタンドのノズル色を確認:スタンドごとのノズル配色に注意し、間違えないよう慎重に操作しましょう。
万が一間違えて給油してしまったら
誤って給油してしまった場合、絶対にエンジンをかけてはいけません。キーを回す前にJAFや保険のロードサービスに連絡し、給油したスタンドで応急処置を依頼してください。
エンジンをかけてしまうと、燃料がシステム内に回り込んでしまい、修理費用や手間が大きく増してしまいます。
まとめ:知識と注意がトラブルを防ぐ
セルフスタンドの普及によって便利さが向上する一方で、ドライバー自身が燃料の種類や操作方法を把握しておく責任も大きくなっています。「軽だから軽油」といった誤解は高額な修理やトラブルのもと。事前確認とちょっとした注意が大きなリスクを回避します。
給油は「確認」がすべて。正しい知識と冷静な判断で、安心・安全なカーライフを送りましょう。
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