軽バンとして人気のハイゼットカーゴ(S330V)は、整備性も良くDIYユーザーにも親しまれています。しかし、電装系トラブル、とくにキーシリンダー周辺のショートは原因が特定しづらく、ヒューズ切れにも気づきにくいのが実情です。この記事では、黒/黄色配線のショートに関連するヒューズの位置と確認ポイントについて詳しく解説します。
キーシリンダーの黒/黄色配線とは?
ハイゼットカーゴS330Vのキーシリンダーには6ピン(6P)のコネクターが接続されており、黒/黄色の配線は主にイグニッション電源に関係しています。この配線がショートすると、メイン系統のヒューズが影響を受ける可能性があります。
一般的に黒/黄は「ACC」や「IG」ラインのいずれかで、ショートによってスターターリレーやイグニッションリレーも動作不良に陥るケースがあるため注意が必要です。
運転席足元と助手席下のヒューズボックス
まず確認すべきは、運転席足元(室内側)と助手席下(エンジンルーム寄り)にある2箇所のヒューズボックスです。
ここには一般的な「ACC」「ST」「EFI」「IG」など主要系統のヒューズが設置されています。特に10A~20Aのヒューズが黒/黄配線に関係している可能性があります。
見落としやすいヒューズの場所とは
多くの方が見落としがちなのが、バッテリー直近にあるメインフューズボックスとエンジンルーム内のリレーボックスです。
- エンジンルーム助手席側奥:黒いプラスチックケース内に「MAIN」「ALT」「IG」など大容量のフューズがある
- バッテリーターミナルに直結されたヒューズリンク:見た目では切れているか判断しづらいので、テスターでの通電チェック推奨
これらは見た目で判断できないケースもあるため、導通テスト(テスター使用)を推奨します。
ヒューズが切れていないのに通電しない場合のチェックリスト
- 配線の溶解・ショート跡がないかコネクター部をチェック
- リレーが通電しているかカチッという動作音を確認
- アース側(黒系統)との断線・腐食
- ヒューズソケットの腐食・ゆるみ・接触不良
特に黒/黄のような電源配線は短絡時に一部だけ焼損して導通不良になっていることが多く、ヒューズが切れていない場合でも油断できません。
必要な整備工具とテスター使用のすすめ
電装系トラブルの確認には以下のツールがあると安心です。
- 導通確認用テスター(デジタルまたはアナログ)
- ヒューズ抜き・スペアヒューズ
- 電工ペンチ・配線用ビニールテープ
テスターはヒューズ単体や、キーON時の12V出力チェックにも活用できるため、今回のようなショート確認に非常に有効です。
まとめ:電装系トラブルは複合的に見るのが鍵
ハイゼットカーゴS330Vのキーシリンダー周辺の配線ショートは、複数のヒューズボックスとリレーが関係している場合があります。目視でヒューズが切れていなくても、内部導通が断たれていることもあるため、テスターでのチェックが重要です。
また、メインフューズやリレーの状態も確認し、通電の有無を判断することで原因の特定につながります。DIYで対応する場合は、安全第一で行動し、不安がある場合は整備工場に相談しましょう。
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