マサダ製シザーズジャッキは信頼性の高い油圧ジャッキですが、オーバーホール(OH)後に「車が持ち上がらない」といったトラブルが起きることもあります。本記事では、ジャッキが上がらない原因と対策、特に重要なエア抜きの手順や注意点を中心に解説します。
OH後にありがちなトラブルとは?
オーバーホール直後は無負荷でスムーズに上下するものの、実際に車を持ち上げると動作しないというケースがあります。この原因の多くは、油圧ライン内に空気が混入していることにあります。
エアが残っていると、いくらハンドルを回しても圧力がかからず、車を持ち上げる力を発揮できません。また、OHキットのパッキンの組み付けミスやオイル不足も動作不良の原因となります。
エア抜き作業の正しい手順
エア抜きは以下の手順で行うと効果的です。焦らず、丁寧に行うことが成功のカギです。
- ① ジャッキを完全に下げた状態で、リリースバルブを緩める
- ② オイル注入口のキャップを開けて、数回ゆっくりとハンドルを上下に動かす
- ③ オイルが減った分を補充(推奨オイル:油圧作動油 ISO VG32 など)
- ④ キャップを仮締めして、再度ハンドルを上下
- ⑤ 抜けた空気の分だけオイルを補充し、泡が出なくなったらキャップを本締め
この作業を数回繰り返すことで、エアが抜け、正常に圧力がかかるようになります。
オイルの量と種類にも注意
OHキットと一緒に補充オイルを準備していない場合、オイル不足が原因でジャッキが動かないこともあります。作動油の量はオイル注入口のすぐ下まで満たすのが基本です。
また、粘度の高すぎるオイル(例えばエンジンオイルなど)を使うと、気温の低い環境では動きが鈍くなるため、油圧専用のオイルを使用しましょう。
取り付けパーツのチェックポイント
ヤフオクで購入したOHキットの品質も要チェックです。以下の点を確認してみましょう。
- パッキンのサイズや材質は純正と合っているか
- シリンダー内の清掃が不十分ではないか
- リリーフバルブやチェックバルブが正しく機能しているか
不良パーツが含まれている場合、どんなにエア抜きしても正常動作しないことがあります。
車のジャッキアップポイントでの動作が異なる理由
無負荷では上がるのに、車を載せると上がらない場合、ジャッキの加圧力不足やバルブの不具合が考えられます。また、ジャッキアップポイントが不安定だと、力が逃げてしまうこともあるので、平坦でしっかりとした場所で再確認しましょう。
さらに、ジャッキ自体の劣化(ピストンの摩耗やシール不良)もパフォーマンス低下につながるため、再点検もおすすめです。
まとめ:エア抜きと丁寧な組み付けが復活の鍵
マサダジャッキがOH後に動作しない場合、多くはエアが完全に抜けていないことが原因です。正しい手順でのエア抜き作業、オイルの適量補充、パーツの品質確認を丁寧に行うことで、再びしっかりとした性能を発揮できるようになります。
どうしても改善しない場合は、マサダ製作所公式サイトや修理対応業者への相談も視野に入れてみてください。
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