坂道でのすれ違いは運転中に起こりうる状況の一つですが、教習所の学科試験ではこの場面に関する設問で正誤を迷う方が少なくありません。特に「上りの車が下りの車に道を譲るのが原則」という認識が混乱の元になることがあります。この記事では、坂道における譲り合いの原則と、誤解されやすいポイントについて詳しく解説します。
道路交通法における坂道のすれ違いルール
道路交通法施行令第19条では、坂道で車がすれ違う際の優先順位について定められています。具体的には、坂道では、下り坂を通行する車が上り坂を通行する車に道を譲るのが原則です。
この理由は、上り坂の車は停止・再発進が難しく、下り坂の車は比較的容易に再発進できるためです。この実用面からの配慮が法律にも反映されています。
「上り」「下り」の意味の混乱に注意
問題文によっては、「上りの車が道を譲るのが原則」と書かれていても、「上り」の意味を誤解してしまうことがあります。ここでの「上り」「下り」は進行方向を指しており、物理的にどちらが高い位置にいるかではありません。
つまり、上の位置にいる車が必ずしも「上りの車」とは限らないという点に注意が必要です。教習問題ではこの点の理解不足による誤答がよく見られます。
例題で確認:正しい選択はどれか?
例:「坂道では上りの車が下りの車に道を譲るのが原則である。」
この設問は×(誤り)です。理由は、実際の交通ルールでは「下りの車が上りの車に道を譲る」のが原則だからです。
このように設問の文言に惑わされないよう、根本的なルールを理解しておくことが重要です。
ただし例外も存在する
道路交通法には例外規定もあります。たとえば、広い道路にいる車や、道路の幅に余裕がある方の車が譲るなどの状況判断が必要とされるケースもあります。
また、大型車と小型車がすれ違う場合や、ブレーキの効きに差がある車両同士の場合など、安全を最優先した譲り合いが求められます。
運転実務では「臨機応変な判断」も必要
実際の運転では、道路状況や車両の性能、交通量などを考慮して判断する必要があります。必ずしも「法令通り」ではなく、より安全でスムーズな通行を意識した判断が求められます。
たとえば、下りの車がすでに坂道を下っており停車が難しい状況では、上りの車が一時的に停止して譲る方が安全な場合もあります。
まとめ:基本ルールを知りつつ柔軟な対応を
坂道でのすれ違いにおいては、「下りの車が上りの車に道を譲る」というルールが基本です。しかし、設問の表現や状況の把握により混乱することもあるため、原則と例外の両方を理解しておくことが大切です。
教習所の学科試験では、こうした細かいニュアンスまで問われることがあります。実際の運転でも応用できるよう、正確な知識を身につけておきましょう。
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