「車を残クレで買って大丈夫?」と不安に思う人は少なくありません。広告では「月々1万円で新車に乗れる!」など魅力的に見える残クレ(残価設定ローン)ですが、仕組みを理解しないまま契約すると、思わぬ出費や制約に悩むことも。本記事では、車購入初心者でも分かりやすく、残クレの仕組みと注意点を解説します。
■ 残クレとは?仕組みをかんたんに説明
残クレとは「残価設定型クレジット」の略で、車両価格の一部(残価)を最後に据え置くことで、月々の支払額を抑えるローンのことです。
例えば、車の価格が300万円で、3年後の残価が150万円と設定される場合、残りの150万円だけを分割で支払っていきます。そして3年後に以下のいずれかを選択します。
- ① 車を返却して終了
- ② 残価150万円を支払って買い取る
- ③ 再ローンを組んで乗り続ける
■ 残クレのメリット:月々の負担が軽く、最新車種にも乗りやすい
残クレの最大の魅力は、月々の支払いが抑えられること。車両価格すべてを払う通常ローンと比べ、負担が軽く、ワンランク上の車種にも手が届きやすくなります。
また、「3〜5年で乗り換えたい」という人には、返却型という選択肢もマッチします。車検前に手放せばメンテナンス費用の節約にもなります。
■ 残クレのデメリット:自由がきかず、追加費用が発生することも
残クレの最大の注意点は「契約の制約が多い」こと。例えば。
- 走行距離の制限(例:年間10,000km以内)
- 事故やキズによる減額リスク
- 返却時に査定が下がると追加請求される
さらに、「残価を支払って買い取る」選択をすると、結局、通常ローンより支払い総額が高くなることもあります。
また、途中解約がしづらく、転職・収入減などライフプランの変化に柔軟に対応できないデメリットもあります。
■ 実例:残クレ利用者のケーススタディ
ある方は月々15,000円の支払いでコンパクトカーに乗っていましたが、返却時にボディの傷と走行距離超過により、追加で20万円請求されました。さらに、「やっぱり手元に残したい」と思ったときに、一括で残価を支払う資金が用意できず再ローンを組むことになり、総支払額が高くなってしまいました。
一方で、「3年ごとに新車に乗り換えたい」「毎日走行距離が少ない」「車は資産ではなく消耗品」と考える人には合理的な選択肢となり得ます。
■ 残クレが向いている人・向いていない人
向いている人:
- 短期間で車を乗り換える予定がある
- 走行距離が少ない・運転が丁寧
- 車に所有欲がない(借りる感覚)
- 車検やメンテを負担に感じる
向いていない人:
- 長く1台の車を乗りたい
- 車を改造・カスタムしたい
- 走行距離が多くなる
- 自由に売却・下取りしたい
■ まとめ:残クレは「使い方次第」で便利にも不利にもなる
残クレは便利な買い方ですが、仕組みとリスクを理解してから使うべき商品です。
- 月々の支払額は安くても、総額は高くなる場合がある
- 走行距離や車の状態によって返却時に追加費用が発生
- 「一時的な利用」には向くが、「長期保有」には不向き
購入を検討する際は、「3年後、どうしたいか?」という出口戦略を明確にしたうえで、ディーラー・ファイナンシャルプランナーとしっかり相談するのがベストです。
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