かつてはゼロクラウンがカスタム文化の象徴だった時代。今では50プリウスやアルファード、ヴェルファイアといった車種がその座を奪い、多くの若者たちに選ばれる存在となっています。なぜクラウンは姿を消し、プリウスやミニバンが改造ベースとして人気を集めているのでしょうか?その背景を掘り下げてみましょう。
かつての王者「クラウン」が人気だった理由
クラウンは2000年代、特にゼロクラウン(18系)や20系クラウンが「ヤンキー車」や「VIPカー」として絶大な人気を誇っていました。高級感、FRレイアウト、ターボエンジンなどが魅力で、車高短&フルエアロのカスタムが定番でした。
中古市場でも比較的安価に手に入り、ラグジュアリー志向の若者たちの手に届く存在だったのです。
なぜクラウンは姿を消したのか?
まず挙げられるのは中古価格の高騰です。210系・220系クラウンは新車時の販売数が少なく、玉数が少ないため中古価格が安定せず、若年層には手が出しにくくなりました。
さらに、近年のクラウンは高級志向が強まり、デザインもより落ち着いた方向へ。かつての「イカツさ」を求める層には刺さらなくなった面も否めません。
なぜプリウスやアルファードに流れるのか?
現代の若者に人気の車種として浮上しているのが50系プリウスやアルファード・ヴェルファイアです。その理由は主に以下の通りです。
- 中古価格が手ごろ:特に前期型の50プリウスは手が届きやすい価格帯。
- カスタムパーツが豊富:エアロやマフラー、ホイールなど多様なパーツが安価に入手可能。
- 見た目のインパクト:低価格でも派手に見せられる。
- エコカー減税や維持費の安さ:燃費が良く、任意保険も安価。
プリウスにウイングやローダウン、マフラー交換などのカスタムを施す例が多いのは、その「手軽さと目立ちやすさ」のバランスが取れているからです。
車離れではなく「価値観の変化」
よく「今の若者は車に興味がない」と言われますが、実際にはカスタム文化は継承されています。ただし、重視されるのは走行性能や高級感ではなく、“コスパ”と“映え”なのです。
維持費が高く、パーツも高価なクラウンよりも、改造しやすく街中で目立てるプリウスやアルファードが選ばれるのは、現代の消費感覚にマッチしているからとも言えるでしょう。
プリウスとクラウン、どちらが煽られるか?
煽り運転のターゲットになる車種にもトレンドがあります。現代ではプリウスやヴェルファイアが「イキってる車」の代名詞のように扱われることもあります。これは一部のドライバーによる運転マナーの悪さや過剰なカスタムによる印象形成も影響しています。
クラウンに乗っている人が煽られることは比較的少ないですが、相手が「カスタム勢」だった場合、逆に狙われる可能性もあります。
まとめ:時代とともに変わる「カスタムカーの主役」
かつてのゼロクラウンのように、今の時代ではプリウスやアルファードが主役の座に就いているのは事実です。その背景には価格、維持費、パーツ事情、SNS映えなど、複合的な要素が絡んでいます。
車文化は廃れているわけではなく、時代に合わせて“進化”していると捉えるべきでしょう。
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