マツダファンから「現行モデルは以前に比べてデザインが不自然に変わった」と感じる声が増えています。この記事では、マツダのデザイン哲学の進化と最新モデルに見られる変化を整理し、背景にある戦略や実例を通して読み解きます。
マツダの“魂動(こどう)”デザインとは?
まず、2010年代に確立された“魂動(KODO)”デザインは、「生命の躍動感」を追求した曲面基調が特徴です。
初期のCX‑5やMazda3では、丸型ライトと滑らかなボディラインが調和し、完成形とも言える美しさを実現していました。
なぜフォグ廃止で印象が変わったのか?
CX‑5後期型では、フォグランプが廃止され“シグネチャーウイング”が切り詰められ、フロントフェイスの印象が軽く感じられました。
これは「軽量化」「コスト効率」「グレード細分化」などモデル戦略の一環と考えられ、ブランドの顔としての機能を維持しつつも現実的な判断があったと解釈できます。
CX‑60以降の“威厳ある顔”への変化
CX‑60や最新CX‑90では、より大型で高級感のあるグリルと直線的なライトデザインへシフトしています。
これは、グローバル市場でプレミアムSUVに挑むための“強さ”や“存在感”を打ち出す狙いがあり、魂動の延長線上ではあるものの、従来の丸型ライトとは異なる方向性です。
ボルボやMINIとの対比から見える方向性
一部では「ボルボのようにデザインを固定できないものか」との意見もあります。
しかしマツダは“緩やかな進化”を志向しており、変わらない美学ではなく市場ごとの求められる“キャラクター”に応じたデザイン調整を優先しています。
共通するデザイン基盤と変化の理由
- 共通基盤: 魂動哲学は継続している
- 変化の理由: ブランド戦略、製品差別化、コストや市場ニーズへの対応
- 結果として: 一貫性がありつつも多様な表情を持つラインナップへ
まとめ:マツダデザインの“変化”は進化の証か?
マツダのデザインが変わったように見えるのは、むしろ“選択と進化”の結果です。魂動の美意識を軸に据えつつ、モデル別や市場別にキャラクターを明確にすることで、多様なユーザーに応える設計思想が見えるでしょう。
その意味では、「完成されていた」とされる時期から次のステージへの挑戦と捉えるのが正当であり、今後も新しい解釈を楽しむ姿勢が求められそうです。
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