ホンダN-BOXのボンネット内や車内には複数のリレーが収納された”リレーボックス”が設置されています。一見どれも同じ形に見えるリレーですが、それぞれ異なる役割を持っており、故障時の診断や交換には正しい知識が必要です。
リレーボックスとは?基本構造を理解しよう
リレーボックスとは、電装品の制御に関わる複数のリレー(電磁スイッチ)やヒューズが収納されたボックスです。N-BOXでは、主にエンジンルーム内と運転席下部の2か所に配置されています。
リレーの役割は、ヘッドライト、ラジエーター、エアコン、燃料ポンプなど、さまざまな装置の電源ON/OFFを制御することです。車両保護やスイッチの小型化に欠かせない重要な部品です。
一見同じ形のリレー、それぞれに違いがある
リレーは外見が似ていても、内部構造や制御方式が異なります。たとえば、以下のような種類があります。
- IG1 RELAY:イグニッション系
- FI MAIN RELAY:燃料噴射制御
- AC COMP RELAY:エアコンコンプレッサー制御
- RADIATOR FAN RELAY:冷却ファン用
これらは色やサイズが似ていても、定格電流や作動条件が異なるため、誤って差し替えると機器が動作しないばかりか故障の原因にもなります。
リレーの位置や名称はどこで確認できる?
リレーの配置図は車両に備え付けの「取扱説明書」またはリレーボックスのカバー裏側に表示されていることが多いです。「NO.1 RELAY BOX」「ENGINE COMP FUSE RELAY BOX」などと名称が記載されており、各リレーの役割と配置が示されています。
不明な場合やラベルが読みづらい場合は、ホンダの公式サイトで車種・年式別にダウンロードできる電子版の整備マニュアルを確認するのが確実です。
実例|エアコンが動かない原因がリレーだったケース
夏場にエアコンが突然冷えなくなったN-BOXの例では、診断の結果「AC COMP RELAY」の接触不良が原因でした。交換部品は汎用型の4ピンリレーで、数百円〜2千円程度。DIYで交換できるユーザーもいますが、誤接続を防ぐために整備士の点検をおすすめします。
また、ファンが動かない事例では「RADIATOR FAN RELAY」の故障が原因でした。これも同じく見た目は他のリレーと区別がつきにくいため、ラベルとテスターでの通電チェックが必要でした。
注意!同じ形でも流用は厳禁
見た目が同じだからといって、別のリレーと交換してしまうと誤動作や電装系の破損リスクがあります。特に電流が大きいエアコンやファン用のリレーは発熱や焼損の可能性もあります。
万一間違えた場合、症状としては「装置が動かない」「バッテリーが上がる」「ヒューズが飛ぶ」などがあります。疑わしい場合は、無理をせずディーラーや整備工場で診断を受けましょう。
まとめ:リレーボックス内の正確な把握がトラブル予防に
N-BOXのリレーボックスは、外見が似たリレーが複数あるため混乱しがちです。ですがそれぞれ異なる機能と仕様を持っており、適切な知識と確認が必要です。
整備マニュアルやリレーボックスの図解を活用し、「正しいリレーを正しい場所に」という意識で作業に臨むことが、電装トラブルを未然に防ぐ鍵となります。
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