車高調のカスタムにおいて、メインスプリングの長さ変更は多くのドライバーが直面するテーマです。特に220mmから200mmのスプリングに変更したい場合、足りない分を補う目的で「ヘルパースプリング」の導入を検討する方も多いでしょう。本記事では、ヘルパースプリングの役割や密着長、有効ストローク、セットアップ調整に関するポイントを初心者にもわかりやすく解説します。
ヘルパースプリングとは?基本的な役割
ヘルパースプリングは、その名の通り「補助スプリング」です。主にフルストローク時にスプリングが遊ばないようにするため、または自由長の調整や車高の微調整を目的として使用されます。
特にプリロードがゼロ設定の車高調では、スプリングが浮いてしまうケースがあり、そうしたときにヘルパースプリングが有効です。一般的にレートは非常に低く、1~3kgf/mmが多いです。
密着長とは?有効ストロークとの関係
ヘルパースプリングは荷重がかかるとすぐに「密着」し、実質的にはストロークしない状態になります。この状態の長さを密着長と呼びます。つまり、ヘルパースプリングが密着しているときは、以降のサスペンションストロークにほとんど影響しません。
したがって、ヘルパースプリングの密着長分はストロークに加味されず、有効ストロークとしてはメインスプリングのストロークが基本となります。
200mmメインスプリングに変更した場合の対処法
220mmのメインスプリングを200mmに変更すると、20mmの自由長が不足するため、その分を埋めるのにヘルパースプリングを用いるのは有効です。ただし以下の点に注意してください。
- ヘルパースプリングの自由長 + 密着長 = 足りない長さ(今回は20mm程度)
- 密着後の長さがストロークに影響しないため、必要なら車高の調整をプリロードナットや車高調本体で行う必要があります
つまり、ヘルパースプリングを入れるだけでは車高が元に戻るわけではなく、密着長を理解したうえで全体のセットアップが必要です。
ヘルパースプリングのレートによってメインレートは調整すべきか?
原則としてヘルパースプリングは非常に柔らかく、密着後は剛体のように振る舞います。そのため、走行中の挙動に大きな影響を与えることはありません。したがって、メインスプリングのレートを変更する必要は通常ありません。
ただし、プリロードやバンプストップの位置に対してシビアなセッティングを行う場合は、スプリング全体の構成に再検討が必要なケースもあります。
実例:初心者向けの導入パターン
たとえば以下のようなケースでは、ヘルパースプリングが有効です。
例:「220mm → 200mmのスプリング変更をしたが、遊びが出たため全長は維持したい」
この場合、自由長25mm・密着長20mm程度のヘルパースプリングを導入し、プリロード調整で遊びを無くしつつ、車高は全長調整式の車高調で合わせることで解決できます。
まとめ:ヘルパースプリングは目的を理解して使う
ヘルパースプリングは万能ではありませんが、目的と構造を理解して使えば非常に有効なアイテムです。
- 密着長はストロークに影響しない
- 有効ストローク確保にはセッティング変更が必要
- メインスプリングのレートを変える必要は通常なし
正しく使うことで、快適性と性能のバランスを両立した足回りを構築できます。初めてでもこの記事を参考にすれば安心です。
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