車の契約形態には「購入」と「リース」がありますが、法人であればなおさらどちらが有利なのか迷う場面は多いでしょう。中でも、車を購入後すぐにリース契約へ切り替えるケースには明確な理由があります。本記事では、法人があえて車を購入後にリース契約へ移行する背景とそのメリットを、実務目線で詳しく解説します。
車両リースとは?基本をおさらい
車両リースは、リース会社が車を所有し、契約者に一定期間・一定額で車を貸し出す仕組みです。契約期間中は使用者が維持管理し、契約終了後には返却、または再リース・買い取りという選択肢があります。
法人では、会計処理やキャッシュフローの観点からリースを選ぶケースが増えています。車を「資産」として保有せず、「経費」として処理できる点が特徴です。
一度購入してからリース契約に切り替える理由
新車の納車時期にリース手配が間に合わない場合、一旦ディーラーから購入契約を締結し、納車後にリース会社へ売却し、リース契約に変更するという流れが取られることがあります。これを「セール&リースバック」といいます。
この方法により、納期に間に合いながらもリースのメリットを享受することができ、実務では比較的よく使われる手法です。
法人が車をリースにする3つの大きなメリット
- 資産計上が不要:会計上、車を資産計上する必要がなく、バランスシートがスリムになります。
- コスト予測がしやすい:税金やメンテナンスが含まれたリース契約にすれば、月額の支出が固定され予算管理がしやすくなります。
- 資金の有効活用:車両購入の初期費用が不要なため、資金を他の運転資金や投資に回すことができます。
購入とリースの比較:どちらが得か?
項目 | 購入 | リース |
---|---|---|
所有権 | 会社に帰属 | リース会社に帰属 |
会計処理 | 減価償却が必要 | 原則、賃貸借処理で経費化 |
初期費用 | 大きくなりがち | 初期費用不要 |
車両管理 | 自社で実施 | リース会社がサポート |
セール&リースバックの実例
ある中小企業では、営業車の入れ替えで新車を購入。しかし納車のタイミングで希望するリース会社の審査が間に合わなかったため、購入後すぐにリース会社に車を売却し、同じ車でリース契約を締結。初期費用の資金圧迫を避けつつ、経費処理も実現しました。
このように「一時的な購入」はリースの納期問題を解決するための現実的な手段です。
まとめ:法人は柔軟な車両管理戦略が重要
購入からリースへの変更には、一見すると不自然に見えるかもしれませんが、実際には納車スケジュールや資金繰り、税務・会計面での合理性を考慮した実務的な判断です。社用車をどのように導入するかは、単なるコストではなく経営戦略の一部と捉えることが重要です。
最適な選択は、自社の財務状況や運用目的、税務戦略に応じて判断する必要があります。
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