中古車を探す中でよく目にする「修復歴あり」という表記。これを見ると、つい「大きな事故車では?」と不安になるかもしれません。しかし、実際には必ずしもそうとは限らないのです。本記事では、修復歴車の定義や実際の影響、見極めのポイントまで詳しく解説します。
■「修復歴あり」とはどんな状態?
修復歴車とは、自動車公正取引協議会の定義により「車の骨格部分に損傷や修復があった車」のことを指します。つまり、バンパーやボンネットのような外装ではなく、車の骨格ともいえるフレーム類の修復があるかどうかが判断基準です。
主な対象部位には、フレーム、クロスメンバー、ピラー、ダッシュパネルなどがあり、これらのいずれかに修復歴があると「修復歴車」とされます。
■必ずしも「大事故車」とは限らない理由
「修復歴あり=大事故車」とは限りません。例えば、駐車時の不注意によってピラーの一部に軽微な修復を行った場合でも、修復歴車として扱われることがあります。
反対に、ボディの大半が凹んでいてもフレームに影響がなければ「修復歴なし」とされることもあります。つまり、修復歴は“事故の大きさ”ではなく“どこが損傷したか”で判断されるのです。
■修復歴あり車を買うときのチェックポイント
- 修復箇所の確認:具体的にどこを修理しているのかを販売店に確認しましょう。書面での説明があると安心です。
- 走行テスト:直進安定性や異音、ハンドリングに問題がないかを実際に運転して確認しましょう。
- 第三者機関の鑑定書:中古車販売店によってはAISなどの鑑定書が付いている場合があり、信頼性の高い情報が得られます。
■修復歴車のメリットとデメリット
メリット:修復歴車は相場より価格が10〜30%ほど安くなるケースが多く、状態が良ければコスパの良い買い物になります。
デメリット:将来売却する際の査定が下がりやすく、事故歴が心理的なマイナスとなることも。また、修理が不十分な場合には安全性に影響を及ぼす可能性もあります。
■実例で見る修復歴車の価値
たとえばトヨタ・プリウスの修復歴車で、フロントクロスメンバーを交換した車両が新車価格より50万円近く安く販売されていることがあります。この車両は走行性能にも支障なく、メンテナンス記録もしっかりしていたため、購入後も良好に利用されているケースも。
このように、修復歴の内容と修復後の状態によっては、安心して乗れる車も多く存在します。
まとめ
「修復歴あり」の車は、大きな事故車とは限りません。重要なのは“どこを修理したのか”と“その後の状態”です。しっかり確認し、信頼できる販売店から購入すれば、コストパフォーマンスの高い一台に出会えることもあります。
中古車選びで迷ったら、修復歴の有無だけにとらわれず、情報を正しく読み解く力が重要です。
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