トラックの跳ね上げ式ゲート(リアゲート)がフラットにならず、アーム部のボルトに干渉してしまうときは、アームの取付角度や左右のバランスに問題がある可能性があります。特に積み降ろし作業時にゲートが水平にならないと安全性や効率にも関わるため、早急な調整が必要です。本記事では、跳ね上げゲートのアーム干渉の原因と調整手順について解説します。
まず確認すべき3つのポイント
調整作業に入る前に、以下の3点を確認してください。
- ゲートのアーム左右の角度や長さが均等か
- アーム固定部の締め付けが緩んでいないか
- 干渉しているのはアームか、それともブラケットやボルトか
どれか一つでもズレや干渉があると、ゲートが水平にならず、フラットな状態でロックできなくなります。
干渉の主因:「アームの角度」と「ストッパー位置」
アームの根本(ブラケット接続部)にある固定ボルトや偏芯カムの位置で角度調整が可能です。左右それぞれで微妙に角度がズレていると、一方が先に当たり、もう一方が浮いたりねじれたりします。
また、跳ね上げゲートの終端位置を決める「リミットストッパー」や「ロック機構」の位置も重要で、これがズレていると、フラット位置でロックがかかりません。
左右アームの調整手順
次のような流れで調整作業を進めます。
- アーム支点の固定ボルト(14mm〜17mmが多い)を緩め、両側の可動幅を確保
- ゲートをフラットに下げ、左右の高さを目視で合わせる
- 左右のアームの取付角度を微調整(片側ずつ緩めて調整)
- 水平が取れた位置で両側のボルトを本締め(必要ならトルクレンチ使用)
- 最後にストッパー(ゲートの開度制限部品)も調整し、再度干渉がないか確認
この作業は、2人作業が安全かつ効率的です。一人がゲートを支え、もう一人が調整するとズレが出にくくなります。
ゲート側ボルトが干渉する場合の対処
アームではなく、ゲート側のブラケットやボルト頭に干渉する場合、以下のような手段があります。
- ボルトの位置を変える(スライド穴やワッシャー調整)
- 干渉している部位を削る(最終手段、メーカー保証外になる可能性あり)
- アームのピン角度を微調整(0.5〜1度で大きく変化することも)
特に市販品や後付け部品の場合、取り付け誤差で微妙なズレが発生しやすいため、数ミリ単位での調整が必要になるケースがあります。
トラブル防止のためのメンテナンス習慣
調整完了後も、以下の点を定期的に確認することでトラブルを防げます。
- アーム取り付け部のガタ付きや締付トルクの緩み
- ヒンジやピボット部のグリスアップ
- ゲート開閉時の左右の動きに偏りがないか
毎日の点検で小さなズレに早く気づくことで、重大な破損や事故を防ぐことができます。
まとめ:跳ね上げゲートがフラットにならない原因は“左右アームの微妙なズレ”にあり
跳ね上げゲートがフラットにならない主な原因は、アームの左右角度の不均衡や干渉物(ボルト・ブラケット)です。調整は支点部の固定ボルトとストッパーの見直しがポイントとなります。
安全第一で作業を行い、必要に応じて整備業者の点検も活用しましょう。定期的な点検と適切なメンテナンスで、快適で安全な荷役環境が維持できます。
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