運転免許証には、各種免許の「取得日」が記載されており、それは取得した順に残り続けます。特に「二・小・原」の欄には最初に該当する免許(例:普通自動二輪)の取得日が表示され、その後に大型二輪を取得しても表示が更新されることはありません。本記事では、免許取得日の記載の仕組みや、過去の取得履歴を免許証から消したい場合の現実的な選択肢について詳しく解説します。
運転免許証に記載される「取得日」のルールとは?
運転免許証の左下には、取得した各免許種別のうち代表的な「二・小・原」「中・大・け引」「他」の分類でそれぞれ最初に取得した日付が記載されます。
たとえば、高校時代に普通自動二輪免許を取得(①)→社会人になって大型自動二輪(②)→さらに普通自動車(③)という順に免許を取得した場合、「二・小・原」の取得日には①の普通自動二輪の取得日が表示されたままになります。
これは「大型二輪を取得しても普通二輪を包含する免許だから」という理由で、新たに更新されないのがルールです。
履歴を消したい場合の考え方
「高校時の免許取得履歴を消したい」「免許証に表示させたくない」というニーズは少数ですが存在します。ただし、現在の制度上、過去の取得日を免許証から削除・書き換えることは基本的にできません。
理由としては、運転免許の記載は「経歴を記録する公的証明」としての役割があるため、履歴操作は許可されない構造となっているためです。
強引に取得日を変更する方法は存在するか?
一部では次のような「裏技的手法」が挙げられることがありますが、いずれも現実的とは言えません。
- ①を一度返納し、その後に②を新規取得する → 実際は「失効からの再取得」として扱われ、元の取得日が残るケースが多い
- ①②を取得後に①を返納して③を取得 → 普通自動車免許には二輪区分が含まれないため、返納しても取得日表示に影響なし
つまり、免許の一部を返納しても、運転免許証上の「取得日」は警察のデータベース内に記録され、表示ルールもそれに従って固定されます。そのため意図的な履歴抹消は不可能に近いといえるでしょう。
そもそも取得履歴が見られて困るケースはある?
一部の方が履歴を消したいと感じる背景には、「高校時に免許を取得していたことを知られたくない」といった心理や事情があるかもしれません。
ただし、運転免許証の取得日を細かく確認する人は非常に限られています。警察・交通関係者・一部の企業(教習所職員など)を除き、履歴を見て判断されるような場面は極めて稀です。
また、免許証はあくまで公的証明書であるため、プライバシー面よりも正確性・信頼性が重視される点を理解しておくと良いでしょう。
どうしても気になるなら免許証の提示を控える手段も
どうしても過去の履歴が気になる場合、以下のような工夫をすることも検討できます。
- 写真付きマイナンバーカードや住基カードなど、別の本人確認書類を利用する
- どうしても提示が必要な場面では、取得日が見えないようケースに入れて示す
ただし、これらはあくまでプライベートでの工夫であり、公的な確認の場では通用しない可能性もあります。
まとめ|免許の取得日表示は変更・削除不可。記録は一生残る
運転免許証に記載される「取得日」は、制度上「最初にその区分の免許を取った日」として記録され、後からの修正・消去はできません。
どうしても履歴を消したい理由がある場合でも、制度的には対応が難しく、仮に返納してもデータ上の記録は残ります。むしろ「若くして免許を取っていたことは経験の証」であり、恥ずかしいことではないと前向きに捉えることが最も現実的な対処法といえるでしょう。
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