【原因と対策】W205 C200(2017年)ハンドル操作時の“モーターが回るような”異音の正体と修理費用

車検、メンテナンス

W205世代のC200にお乗りの方から「ハンドルを回すと、まるでモーターが回っているかのような小さな異音が聞こえる」「暑い日や高速運転後に症状が出やすい」とのご相談を頂くことがあります。本記事では、電動パワーステアリング(EPAS)の音の原因をE‑E‑A‑Tの視点で整理し、事前知識として役立つポイントを網羅します。

原因①:ステアリングコラム内部のクリップ不良やグリス不足

初期型C200では、工場出荷時にハンドルコラムのカバークリップが緩んでいるケースが見られ、走行中に微細なズレが生じてグラインド音やきしみ音が出ることがあります。これは無償リコールや部品交換の対象になった実績もあります。

また、内部可動部にグリス不足が起きると、温度変化や長時間走行後に金属とプラスチックが擦れ合い、異音となって現れることもあります。

原因②:EPASモーターやギア内の潤滑不良や異物混入

電動パワーステアリングはモーターとギア機構で構成されており、潤滑不良や微細な異物混入が起こると、ハンドル操作時にギアの摩擦音・モーター音として感じられることがあります。

特に暑い日や高速運転後にEPAS内部の温度が上昇し、グリスの粘度変化やシール劣化によって異音が出やすくなるという報告も見られます。

原因③:ステアリングシャフトカバーやアンダーカバーの干渉

カバー類がハンドル柱に接触していると、ハンドル操作で摩擦音が発生します。海外フォーラムでは、このカバーの位置調整で異音が改善したケースも報告されています(例:W204型でも同様の事例)[参照]

実例として、樹脂製カバーの爪が外れ、走行時にハンドル操作で擦れることでモーター音のように聞こえる症状があり、カバーを少し引き出して位置をずらすだけで音が消えた例もあります。

原因④:ステアリングラックやサスペンション関連部品からの異音

低速時にカーブを切るときだけ異音が出る場合、サスペンション最上部(ストラットマウント)やラックそのものの摩耗、グリース切れ、またはベアリング劣化による音の可能性もあります。

ただし、「モーターが回るような音」と感じられる場合はEPAS機構内部由来の可能性が高く、サスペンション起因よりも電動ステアリング側の確認が優先されます。

対応方法と修理費目安

1. まずはカバー類の点検・調整

ステアリングシャフト下部のカバーを外して、干渉がないか確認。外すだけで改善するケースもあり、費用は基本的に無料または数千円程度の工賃です。

2. 内部グリスアップや潤滑点検

EPASユニット内部やコラム内部の潤滑不足が原因であれば、グリスアップ作業で対応可能。部品交換が不要なら1~2万円程度で収まる事例もあります。

3. カバークリップやコラム部品の交換

クリップが壊れている場合はパーツ交換が必要になり、1万円〜3万円程度(部品・工賃込み)が目安です。

4. ステアリングコラムまたはEPASユニット丸ごと交換

内部機構の故障でコラム交換が必要になった場合、部品代+工賃で10〜30万円と高額になる可能性もあります。

場合別チェックリスト

状況 考えられる原因 優先対応
異音が低速・低外気温で出る 潤滑不足/グリス硬化 グリスアップとカバー油膜点検
高速・暑い中で発生 EPAS内部の温度上昇による摩擦音 サービス診断+試乗再現依頼
サービスで部品交換済みでも再発 カバー・クリップ調整不足 DIY調整または再交換依頼

事前準備としてのアドバイス

サービス入庫前に、車両を30分ほど走行し異音が出る状態を維持できるようにすると、再現性のある点検を受けやすくなります。

また、「走行条件(速度・外気温・連続運転時間)」をメモしておくと、サービスマンに状況を正確に伝えやすくなり、診断の精度が上がります。

まとめ

W205 C200の「モーターが回るような小さな異音」は、**①コラムカバーのクリップ不良、②EPAS内部の潤滑不足、③カバー類の干渉、④内部部品の摩耗**など複数の原因が考えられます。

修理費用の目安はカバー調整だけなら無料~数千円、グリスアップで1~2万円、クリップ交換で1~3万円、ユニット交換で10~30万円程度です。

サービス入庫前のポイントは「異音再現条件の準備」と「具体的な走行メモ」を伝えること。これにより無駄な部品交換を避け、的確な診断につながります。

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