一部のバイクファンの間で語られる「原付でもリミッター解除すれば100km/h以上出る」という話。特にホンダのNSR50のようなスポーツタイプ原付はその象徴的存在です。では、実際にそのようなスピードを出すことは可能なのでしょうか?この記事ではその真相に迫ります。
NSR50とはどんなバイク?
NSR50はホンダが製造していた本格的な50ccレーサーレプリカモデルで、サーキット入門マシンとしても知られています。水冷2ストロークエンジンを搭載し、標準状態でも高回転まで気持ちよく吹け上がる設計です。
レーサー志向のユーザーからの人気も高く、パーツの豊富さやカスタムのしやすさも手伝って、今でも根強いファンが存在します。
リミッターとは何か?なぜ存在するのか?
リミッターとは、エンジンや車体性能に応じた速度や回転数の上限を制限する電子制御装置のことです。日本の法律では50cc以下の原付一種は時速30kmが法定最高速度であり、これを守るためにメーカー側が制限を設けています。
このリミッターを解除することで、本来のエンジン性能を引き出すことが可能になりますが、当然ながら法的には公道使用不可となる場合があるため注意が必要です。
実際に100km/h以上出るのか?
結論から言えば、NSR50をリミッター解除し、さらにチャンバーやキャブレター、ギア比変更などのカスタムを施すことで、実際に100km/hを超えるスピードに到達することは可能です。実測では110〜120km/hを記録した例もあります。
ただし、これには高度なセッティング技術や耐久性を犠牲にするリスクも伴います。エンジン寿命や冷却性能、ブレーキ性能のバランスを崩す恐れもあるため、一般ユーザーが真似するには危険が伴います。
NSR50をカスタムする際の注意点
スピードアップを目的としたカスタムは以下のような手順で行われます。
- リミッターの解除(CDI交換や制御回路の改造)
- 吸排気系の強化(レーシングチャンバー、ビッグキャブ化)
- エンジン内部のチューニング(ボアアップやポート加工)
- 駆動系セッティング(スプロケット交換など)
しかし、これらの作業は専門知識が必要であり、また違法改造となる可能性があるため、自己責任で行う必要があります。
法的・安全面でのリスク
公道を走る車両は道路交通法と道路運送車両法に則って保安基準を満たす必要があります。リミッター解除により制限速度を超える車両は、仮に事故を起こした場合、過失割合が大きくなる可能性や保険が適用されない事例も考えられます。
また、高速域での走行は小径タイヤや軽量フレームにとっても大きな負担となるため、単純な「速さ」だけを求めるのではなく、安全とのバランスが重要です。
まとめ:速さの先にある責任を理解しよう
NSR50のような高性能原付であっても、リミッター解除+チューニングによって100km/h以上出すことは理論上可能です。しかし、それはあくまでサーキットなどの限られた環境で安全を確保した上での話。
公道での使用を前提とするなら、法的な制約や安全性を第一に考えることが何より重要です。速さを楽しむなら、合法的にサーキット走行を検討するのもひとつの方法です。
コメント