1988年に登場した初代日産シーマ(Y31型)は、ラグジュアリーな乗り心地と先進的な装備で人気を博しました。その中でも「エアサス」は注目装備の一つでしたが、経年によるトラブルが多く、故障時の対応に悩まされたオーナーも少なくありません。本記事では、当時および現在における初代シーマのエアサス対応策を具体的に解説します。
エアサスの故障はよくあるトラブルだった
初代シーマのエアサスペンションは、電子制御による乗り心地の変化や車高調整が可能な高機能装備でしたが、経年でのエア漏れやコンプレッサーの劣化による故障が多発していました。
エアバッグ部品の破損やセンサー不良により「車高が下がったまま戻らない」「走行中に片側が沈む」といった症状が頻発し、当時のユーザーからも修理費の高さが悩みの種とされていました。
修理以外の選択肢:車高調やバネサス化
故障時の選択肢として、必ずしもエアサスの修理にこだわる必要はありません。以下のような代替手段が実際に存在します。
- 車高調(車高調整式サスペンション)への換装
- 純正のコイルスプリング仕様(バネサス)への交換
特に車高調は1990年代から既に一部メーカー(TEIN、RS-Rなど)によってシーマ対応品が販売されており、エアサスよりメンテナンス性に優れるとして多くのオーナーが選択してきました。
バネサス交換は構造変更が必要?
結論として、エアサスからバネサスへ変更した場合、構造等変更申請(いわゆる構造変更手続き)が必要です。これはサスペンション形式が変更されるため、車検証の記載と異なる構造となるからです。
具体的には、運輸支局での改造申請を経て、車検証の「備考欄」にその旨が追記される形になります。手続き自体は比較的簡易で、整備工場や車屋で代行してもらうことも可能です。
修理・車高調・バネサス交換のコスト比較
実際にかかる費用を概算で比較すると以下の通りです。
対応方法 | 費用相場 | 備考 |
---|---|---|
エアサス修理 | 15~30万円 | 部品が純正しかない場合は高額 |
車高調キット交換 | 8~15万円 | 社外品で多く流通あり |
バネサス交換+構造変更 | 10~18万円 | 構造変更手続き費用含む |
経年車であれば車高調やバネサス化の方が維持費も抑えられ、実用性重視の選択といえます。
今後のパーツ入手性と対応のポイント
現在では、純正エアサス部品は入手困難なケースが増えており、ヤフオクや専門ショップで中古を探すしかないことも多いです。そういった状況からも、バネサス化は長期的に見て合理的な選択肢と言えるでしょう。
ただし、交換作業は専門知識を伴うため、信頼できるショップに相談することが肝要です。また、構造変更を行わずに走行するのは車検不適合となる可能性があるため、手続きは必ず行いましょう。
まとめ:初代シーマのエアサス対応は選択肢豊富
エアサスの故障時には、修理だけでなく車高調やバネサスへの変更という現実的な選択肢があります。特に現在は部品入手が困難になってきているため、構造変更を前提にしたバネサス化が有効です。
愛車として長く付き合っていくためにも、自分の用途と予算に合った選択を検討してみてください。
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