S660は値上がりする？将来的価値と家計への影響を冷静に見極めよう

ホンダS660はそのユニークなデザインと軽スポーツカーとしての希少性から、近年注目を集める存在となっています。そんなS660が将来的に本当に「値上がりする資産」になり得るのか、そして家族との生活バランスを考慮した購入判断について、冷静に検討していきましょう。

ホンダS660とは？その特徴と価値

S660はホンダが2015年に発売した軽2シーターのオープンスポーツカーで、2022年3月に惜しまれながら生産終了となりました。その結果、中古車市場では人気が集中し、一部のモデルはプレミア化し始めています。

例えば、低走行距離・無事故のαグレードやModulo Xなどはすでに新車価格を上回る個体も見られ、マニュアル車に人気が集中する傾向があります。こうした要素が、将来的な値上がりの可能性を裏付けているのです。

とはいえ、全てのS660が必ずしも値上がりするわけではありません。過走行や修復歴あり、改造された車両はむしろ価値が下がるリスクが高いです。また市場の動向次第では、EV車の台頭や燃費規制の影響でスポーツカー需要が縮小する可能性も。

2024年現在の中古相場では、初期型でも状態の良い車は200万円台後半～300万円超が相場。仮にローン完済後に売却しても、元を取るには10年以上の保有や極力走行距離を抑えるなどの管理が必要です。

今回のケースでは、子どもが高校生になる時期に重なり教育費など家計の支出が増えるタイミングでの購入。趣味性の高い車のローンが家庭の資金計画に影響を及ぼす可能性は否定できません。

世帯全体のライフプランを考えたとき、趣味の車を持つことが悪いとは言えませんが、家族の同意と理解、そして無理のない支払い計画があってこそ成り立つものです。

S660は単なる移動手段を超えた「運転の楽しさ」を提供してくれる一台です。ドライバーズカーとしての完成度は非常に高く、休日のドライブやサーキット走行などにも対応可能。クルマ好きの子どもと一緒に楽しめるという点でも、思い出作りには最適です。

そのため、金銭的な合理性だけでなく、家族での趣味・交流の一環として評価する価値もあるでしょう。

「車を資産として捉えるか、浪費とみなすか」は目的次第です。S660を将来的な投資対象として所有するには、丁寧な維持管理と冷静な売却タイミングの判断が欠かせません。

一方、趣味としての消費であれば、家計に無理のない範囲で「満足感」や「体験価値」を得られるものであり、浪費とは言い切れません。大切なのは、価値観と家族の同意です。

S660は希少性や趣味性の高さから、将来的な値上がりも一部では期待できますが、家計への影響を見逃すことはできません。家族とよく話し合い、ローンや教育費を含めた中長期的な視点でバランスの取れた判断を心がけましょう。

もしすでに購入している場合は、その車を最大限楽しみ、丁寧に管理することが結果的に資産価値を高めることにも繋がります。