CB750F(FC)は1980年代の名車として根強い人気を持つネイキッドバイクですが、年数が経過した車両では細かな不調が出ることも少なくありません。特に「エンジン始動やアイドリングは正常なのに、走行時の特定回転域で排気音に違和感がある」というケースでは、複数の原因が考えられます。この記事では、素人の方でも理解しやすいように、可能性の高い要因を詳しく解説します。
まず確認すべきは点火系統のトラブル
3000〜4000rpm付近で一発だけ失火しているような排気音がする場合、点火系(プラグ、イグニッションコイル、プラグコードなど)の不調が原因となっている可能性があります。
特にCB750Fのような旧車は、プラグキャップやコードが経年劣化して絶縁不良を起こしやすく、回転数が上がると高電圧によりリークが発生し、一時的に失火するケースがあります。まずはプラグの状態を1本ずつチェックし、焼け具合に差があるシリンダーがないか確認しましょう。
キャブレターの不調・同調ズレも見逃せない
キャブレターの取り外しができるとのことなので、キャブの状態も要チェックです。特に1気筒だけ薄くなったり濃くなったりしていると、特定回転域での排気音にムラが出ます。
可能であれば、キャブレターのオーバーホール+同調取りをおすすめします。CB750Fは4連キャブなので、少しでもバランスが狂うと回転域ごとの吹け上がりに差が出ます。特に中回転域での不調はこの「同調ズレ」が非常に多いパターンです。
バキュームホースやインシュレーターの二次エア吸い
排気音が「パン」や「ボフ」と抜けるような音の場合、二次エアの吸い込みも疑うべきです。キャブとエンジンの間にあるゴム製インシュレーターや、バキュームホースのヒビ割れがあると、そこから空気が混入し、特定回転数で燃焼バランスが崩れることがあります。
エンジンが温まった状態でブレーキクリーナーをインマニ周辺に吹きかけて回転数の変動を見る方法は、比較的簡単にエア吸いの有無をチェックできます。
排気系のトラブルも視野に入れる
マフラーやエキパイに穴が空いていたり、ガスケットが劣化していると、一見して点火・燃料が正常でも排気音に「一発抜けているような音」が出ることがあります。
CB750Fは集合マフラー構造が多いため、1気筒分の排気漏れが全体に影響する可能性もあります。エンジンが冷えた状態でマフラーのフランジまわりにススが出ていないかチェックしてみましょう。
圧縮不良やバルブトラブルも考慮すべき
上記のような簡単なチェックで原因が特定できない場合、圧縮測定を行いましょう。1気筒だけ圧縮が低い場合、ピストンリングの摩耗やバルブの不具合(カーボン噛みやシートの当たり不良)といった、内部的な問題の可能性が浮上します。
バイク用のコンプレッションゲージがあれば個人でも測定可能ですが、慣れていない方はバイクショップに依頼する方が安全です。
まとめ:焦らず段階的に原因を絞り込もう
CB750Fで中回転域の排気音に違和感がある場合、原因は点火系、燃料供給系、吸気系、排気系、機械系など多岐にわたります。特に1発だけ死んでいるように感じる症状は、失火・燃料不足・二次エア・排気漏れなどが典型的な原因です。
まずはプラグ・コード・キャブのチェックから始め、同調やインマニのエア吸い点検を行い、それでも改善しない場合は排気系や圧縮測定へと進めていきましょう。整備の知識を深める良い機会として、段階的な確認をおすすめします。
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