ミドルサイズSUV市場で注目されているホンダ「ZR-V e:HEV」と三菱「アウトランダー(マイナーチェンジ前)」。街乗りはもちろん、高速道路やワインディングでの走行性能にも定評のある2台ですが、もし両者が直線で「本気の加速勝負」をしたらどちらが優勢なのでしょうか?この記事では、スペック・駆動方式・車重・加速特性などをもとに徹底検証していきます。
ZR-V e:HEVの基本スペックと加速性能
ZR-V e:HEVは、2.0Lアトキンソンサイクルエンジン+モーターのe:HEV(ハイブリッド)システムを搭載。最高出力はエンジン105kW(143PS)、モーター135kW(184PS)、最大トルクは315Nm(モーター)となっており、実質的にモーターが主役の加速特性です。
0-100km/h加速は公称値としては非公開ですが、実測テストなどからはおおよそ7.0秒台前半〜中盤のタイムが記録されており、同クラスのハイブリッドSUVの中でも優れた加速性能を持っています。
アウトランダー(旧型)の加速特性とスペック
マイチェン前の三菱アウトランダーは、2.4L MIVECガソリンエンジン+ツインモーターのPHEV(プラグインハイブリッド)仕様が主力です。モーター出力はフロント60kW・リア70kW、システム合計出力は約190〜200PS相当とされ、車重は1800kg前後とやや重め。
加速力に関しては、バッテリー残量や気温、走行モードによって変動しますが、0-100km/h加速は約8.0秒〜9.0秒台が実測値として報告されています。電動駆動ならではの滑らかな発進はあるものの、重量が足を引っ張る傾向にあります。
車両重量とパワーウェイトレシオの差
加速性能を語る上で重要なのが「パワーウェイトレシオ(車重÷出力)」です。
車種 | 車両重量 | モーター出力 | パワーウェイトレシオ |
---|---|---|---|
ZR-V e:HEV | 約1,570kg | 135kW | 約11.6kg/kW |
アウトランダー(旧型) | 約1,850kg | 130kW相当 | 約14.2kg/kW |
ZR-Vのほうが明らかに軽量かつ高出力のモーターを持っており、加速においては数値上優位です。
実走レビューから見える実力差
YouTubeや各種レビューでは、ZR-V e:HEVが低速〜中速域での加速において「電動の力強さとレスポンス」に優れていると高評価。一方アウトランダーは、EVモードでの静粛性や巡航時の安定感が光るものの、瞬発力ではZR-Vに一歩譲る印象です。
特にフル加速時のキックダウン応答や、100km/hまでの追い越し加速の伸びではZR-Vのモーター出力と軽量ボディが活きるシーンが多く、「本気の直線勝負」ではZR-Vに軍配が上がるという声が目立ちます。
燃費と加速のバランスもチェック
ZR-V e:HEVは燃費性能も優れており、WLTCモードで22.1km/Lを記録。加速と省エネを両立する点も人気の理由です。アウトランダーPHEVは電動航続距離や充電環境次第で燃費が変動するため、トータルバランスより「直線勝負」ではZRV有利と考えるのが妥当でしょう。
まとめ:直線勝負はZR-Vに分あり。ただし使い方次第
総合的に見て、ZR-V e:HEVは軽量なボディと高出力モーターを活かして、アウトランダー(旧型)よりも加速性能において有利です。直線加速の一点に絞れば、ZR-Vの勝利が濃厚といえるでしょう。
ただし、アウトランダーは電動走行距離や積載性、悪路走破性など、ファミリーやアウトドア志向のユーザーには大きなメリットがあります。用途に応じた選択が大切です。
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