近年、世界中で電気自動車(EV)の開発や普及が進む一方、日本では「EVは無理」「オワコン」といった声も見られるようになりました。しかし、このような意見の背景には何があるのでしょうか?本記事では、日本におけるEVの現状や課題、そして将来性について客観的な視点から解説します。
なぜ「EVは無理」と言われるのか?日本ならではの理由
日本におけるEV普及の障壁は主に以下の点です。
- 充電インフラの不足:特に地方では急速充電器が圧倒的に足りないため、長距離移動が不安視されています。
- 電気代の高騰:電気料金が上がっており、ガソリン車と比較してコストメリットが見えにくくなっています。
- 車両価格の高さ:補助金を利用してもなお、EVは高額であり一般層にとって手が届きにくい状況です。
これらの要因が「EVは日本では向かない」という印象を生んでいるのです。
それでも増えているEVユーザーの声
たとえば神奈川県に住むAさんは、三菱eKクロスEVを購入。「通勤と買い物程度の使い方なら週1回の充電で十分。ガソリンを入れる手間が減って楽」と満足しています。
都市部や近距離移動が中心のライフスタイルにおいては、EVのメリットはむしろ強く発揮されています。
グローバルでは進むEVシフト、日本は取り残される?
欧州では2035年にガソリン車の新車販売禁止、アメリカでも各州が段階的なEV義務化を進めています。中国ではEVが新車販売の約30%を占めています。
一方、日本のEV新車比率は2024年時点でわずか2〜3%。このままでは世界の流れから大きく出遅れる可能性が高いと言われています。
ハイブリッド車からEVへ、日本独自の進化のかたち
日本ではトヨタのプリウスなど、ハイブリッド車が主流です。これはガソリンと電気を併用することで、インフラ問題や航続距離の不安を解消する独自の答えでもあります。
つまり、日本ではEV=フル電動車に限らず、ハイブリッドやプラグインハイブリッドも「電動化」の一部として捉えられているのです。
今後EVは本当に普及するのか?
政府は2035年までに新車販売をすべて電動車にするという目標を掲げており、補助金や充電インフラの整備にも予算が投じられています。
また、軽EVや中古EVなど、価格の選択肢も徐々に広がっており、今後の普及が期待されています。
まとめ:EVは「オワコン」ではない。進化の途中にあるだけ
EVに対して「無理」「終わった」といった印象があるのは事実ですが、それは現時点での課題に起因するものであり、技術や制度の進展とともに大きく変わる可能性を秘めています。
環境性能、維持コスト、運転の快適さなど、EVには多くのメリットもあります。日本でもライフスタイルに合った選び方ができるようになれば、EVは次第に当たり前の存在になっていくでしょう。
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