HEV(ハイブリッド電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)の燃費審査において、駆動用バッテリーのSOC(State of Charge、充電状態)補正が重要な役割を果たしています。しかし、補機用バッテリーについても同様の補正が行われているのか、また試験前後での充電状態が結果にどのように影響するのかは不明瞭な点もあります。この記事では、HEVやPHEVの燃費審査における補機用バッテリーのSOC補正の実態とその影響について解説します。
HEV/PHEVの燃費審査におけるSOC補正
HEVやPHEVの燃費審査では、駆動用バッテリーのSOCを試験前後で測定し、その差を基に電気量の収支補正が行われます。この補正により、実際の走行時のエネルギー消費と試験結果に一致させることができます。駆動用バッテリーのSOC補正は、車両が電力をどれだけ使用したかを正確に反映させるために重要です。
しかし、補機用バッテリーについては、同じように試験前後でのSOC測定や補正が行われるのかという点については、あまり明確な情報がありません。補機用バッテリーは主に車載電子機器や空調などの動作に必要な電力を供給しており、駆動用バッテリーとは異なる役割を果たしています。
補機用バッテリーのSOC補正は行われているのか?
補機用バッテリーに関しては、通常、SOCの補正は行われていないことが多いです。駆動用バッテリーのSOCが燃費試験の結果に直接的な影響を与えるのに対し、補機用バッテリーのSOCはその影響が少ないため、試験前後での補正対象として扱われることは少ないです。
試験中、補機用バッテリーが車両に与える影響が限られているため、試験の目的においてはその充電状態が重要視されることは少ないと言えます。そのため、補機用バッテリーのSOCを調整したり、補正したりする必要性は低いのです。
補機用バッテリーの充電状態が燃費に与える影響
仮に、補機用バッテリーが直前に満充電された場合でも、燃費試験の結果に大きな影響を与えることはありません。補機用バッテリーは駆動用バッテリーに比べて消費するエネルギーが少ないため、試験中にその充電状態が車両の燃費に及ぼす影響は限定的です。
例えば、試験時間中に補機用バッテリーが完全に放電しても、燃費結果に対する影響はほとんどないと言えるでしょう。このため、補機用バッテリーを意図的に満充電にしても、試験結果に大きな差が出ることはないと考えられます。
補機用バッテリーと駆動用バッテリーの違い
駆動用バッテリーと補機用バッテリーの大きな違いは、その役割にあります。駆動用バッテリーは車両の走行に直接的に関与し、走行時のエネルギー消費に大きな影響を与えます。一方、補機用バッテリーは、車載システムやエアコン、照明などの補助的な機能を支えるために使用され、駆動用バッテリーほど燃費に直接的な影響を与えることはありません。
そのため、補機用バッテリーが試験前に充電されていても、そのことが燃費試験結果に大きな影響を与えることはなく、主に駆動用バッテリーのSOCが試験結果に反映されることになります。
まとめ:補機用バッテリーのSOC補正は不要
HEVやPHEVの燃費審査では、駆動用バッテリーのSOC補正が行われる一方で、補機用バッテリーのSOC補正は一般的には行われていません。補機用バッテリーは車両の走行に直接影響を与えることが少ないため、試験中にその充電状態を補正する必要はないとされています。したがって、補機用バッテリーを直前に充電しても、燃費試験に大きな影響を与えることはなく、安心して試験に臨むことができます。
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